2018年は自然災害が多かった年でもありました。西日本を中心に悪天候が続き、物流などに大きな影響が出たほか、9月には、台風21号の影響で関西国際空港が冠水するというショッキングな出来事もありました。

セクハラ、パワハラ、自然災害。昭和的な価値観がリセットされた2018年を総括_img0
写真:Pashaco / Shutterstock.com

関空は沖合5キロに埋め立て方式で作られた人工島ですが、地盤沈下が激しく今も一定のペースで沈み続けています。高潮の被害に遭わないよう、地面の沈下に合わせて護岸を高くする工事を進めてきましたが、今回は想定外の高潮が発生し、海水が入ってしまいました。

日本の気象が著しく変化したことは多くの人が実感していると思います。従来の常識では防げたはずの災害が発生するリスクは高くなっていますから、わたしたちはより慎重に行動する必要があるでしょう。政府や企業が対策を講じるのはもちろんのことですが、天気予報をこまめにチェックし、無理な行動は控えるなど、わたしたちにも出来ることはあるはずです。

ビジネス面ではメガバンクのリストラというニュースもありました。3メガバンクは、フィンテック(金融とITの融合)という新しい時代に対応するため、数千人規模の人員削減(もしくは業務量の削減)という前代未聞のリストラ計画を発表。現在、急ピッチで店舗の統廃合を進めています。街中にたくさんあった銀行の大型看板が次々と撤去されていることに気付いた人も多いのではないでしょうか。

銀行は店舗の削減と同時にATMの撤去も進めています。日本はどこでも現金が引き出せるので非常に便利だったのですが、ATMの維持には莫大なお金がかかっており、銀行はこのコストを負担できなくなっています。今後は好むと好まざるとにかかわらず社会のキャッシュレス化が進む可能性が高いと考えられます。

銀行のリストラというのは社会のキャッシュレス化と表裏一体です。銀行の経営スリム化の動きは、やがて到来するキャッシュレス社会の予兆と捉えた方がよいでしょう。(関連記事:「ATMが街から消えていく、本当の理由」

来年は、いろいろな意味で、従来の考え方を見直し、私たち全員がバージョンアップしていく必要がありそうです。

 
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