あらすじ
東京高等師範学校に入った金栗四三(中村勘九郎)は、全員参加のマラソン大会に参加し、三位となる。予科生では初の快挙だった。そのときの問題点を洗い出し、もっと早く走るために試行錯誤する中で、わらじに代わる履物として、足袋と出会う。
背景に描かれたイラストの謎
四三は校門を出て街中(そこに、足袋屋・播磨屋もある)を抜け自然の中へーー。『いだてん』のみどころのひとつは、明治の街のオープンセット。茨城のロケ施設「ワープステーション江戸」の近現代エリアで撮影されています。こちらがこのたび一般公開となり、オープニングセレモニーに『いだてん』後半の主人公・田畑政治役の阿部サダヲさんが出席し、政治さんのご子息と対面したというニュースが報道されました。政治さんは新聞記者、ご子息は元NHKの政治部記者だったそうです。政治と政治。ダジャレ? と思ったのですが、『いだてん』四話も、「アベチエ、結婚したらアベベチエ」、「熊本です」「あっそ」などダジャレで迫ります。
もちろん、それだけではありません。シャーロット・ケイト・フォックスさんも竹野内豊さん演じる大森の妻役で登場して華やかさも増し増しです。
四三が苦悩する場面の謎めいた背景画を使用したカットが本編のあとの「紀行」でも使用されていて驚きました。だんだん遊びが増えてきた気がしますし、これからますます調子が上がっていくと思われます。
この背景画、どなたがどんなコンセプトで描かれたのか気になって、聞いてみたところ、オープニングタイトルを製作している上田大樹さんにアートディレクションを依頼したとのこと。
「あのシーンは、四三が身体を張ったトレーニングの結果、命の危険を感じるほどの異変が起きている様子を描いています。心臓が破裂するような苦しみを、短いカットで切実かつ面白く伝えるために実写ではなく、生々しい肉体のイラストとの合成で表現しました。
なお、四三は、この体験をふまえて、合理的なトレーニングを探っていくことになります。その中には、現代の科学トレーニングと符号するものも多くあります。そういう意味でも大切なシーンですので、印象に残ったとすればうれしいです」とのことです。
上田さんは、劇団☆新感線やナイロン100℃などの劇中映像を多数手がけている才人です。
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