もしも自分の子どもが、悪気なく差別につながるような発言をしてしまったら……? こういう問題は、日頃からどう伝えるか考えていないと、いざその場面に遭遇したとき適切な態度をとれないことも。ある女性の体験談と、それに対するコラムニスト・石原壮一郎さんの回答を紹介いたします。
ロロさんからの質問
Q. 幼いわが子が、見知らぬ白人系の子に
「お前、何人か?」と……。
まだ幼児であるわが子が、初対面の白人の血が入った顔立ちの小学生に、「おまえ何人か?」と尋ねました。相手も幼児相手に何も言い返すことができず、後からきょうだいらしき子に「もうそのことは気にしないことにしたんだろ?」となぐさめられているのを見ました。傷つけてしまったことに気がつきましたが、自分はどうしたら良かったのか、それ以来考え込んでいます。幼児は、「珍しい顔だから聞いてみたんだ」と悪気はありません。しかしながら、悪気があろうとなかろうと、人を表面的なことで区別することが差別であると教えなくてはなりません。もしかしたら、親である自分の普段の行動から無意識のうちに差別意識を植え付けていないか、ということも気になります。多様な人々が暮らす都会の方からすると、いまだにこんなことがあるのかと驚かれるのかもしれませんが、アドバイスをいただけると幸いです。(44歳)
特別ゲスト 石原壮一郎さんの回答
A. これを良い機会として、差別について
サラリと教えられてはいかがでしょうか?
子供は気になったことは聞くものですよね。聞いたのは当然、差別意識からではありませんでしょうから、「とんでもないことを聞いた!」とおおごとに考えすぎる必要はないと思います。ただ、そのようなことを聞くのがどういうことか、というのは教えておく必要はあるかと思います。
自分はどうしたら良かったのか……というお悩みですが、その場では、相手の子に「家に帰ってからよく話しておくから」と伝えるなど軽くフォローをしておく。そして家に帰ってから、我が子にはサラッと説明する、くらいが良いのではないでしょうか。反対に親がうろたえて深刻になるのが、一番火に油を注ぐ行為だと思うのです。
ですから、自分の普段の行動から差別意識を植え付けていたのではないか……とまで悩む必要は決してないと思います。子供さんがそのような発言をしてしまったことにショックを受けられるより、むしろ「見た目の違いというものについて教えるいい機会を得た」くらいに受け止め、サラリとロロさんの考えを教えられたので良いのではないでしょうか。
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- 石原 壮一郎(いしはらそういちろう)1963年生まれ。コラムニスト。月刊誌の編集者を経て、1993年に『大人養成講座』でデビュー。以来、『大人の女養成講座』、『大人力検定』、『大人の合コン力検定』など大人をテーマにした著書を発表し続けている。近著に『9割の会社はバカ:社長があなたに知られたくない「サラリーマン護身術」』(飛鳥新社)、『本当に必要とされる最強マナー』(日本文芸社)、『大人の人間関係』(日本文芸社)などがある。 この人の回答一覧を見る
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