この春の日本映画には、大ブレイク中の若手俳優からブレイク間近の若手俳優が勢揃い。 少女漫画の映画化が中心になるためちょっと気恥ずかしさがある方もいるかもしれませんが、勢いのあるフレッシュな男子たちをチェックできるとあっては背に腹はかえられません。スピード感のあるこのご時世、今年の年末くらいにはさらに大きな存在になっていること間違いなしの俳優たちを紹介したいと思います。
① インスタ77万! 壁ドンブームの続編に出演する横浜流星
まずは『はじこい』こと『初めて恋をした日に読む話』で年上女性たちを悶絶させ、ドラマ終了後に“ゆりゆりロス”を巻き起こした横浜流星。年齢も肩書きも飛び越え、「好きで好きで嫌いになりそうなくらい好きです」「母性とか求めてねぇって!」と名セリフを連打、被弾した視聴者をキュン死に追い込んだ責任を問われている俳優です。現在、インスタのフォロワー数も77万に急上昇、大ブレイク中の彼が“無敵ピンク”から髪色を赤にチェンジして出演しているのが『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ』。アメリカ帰りで口の悪いぶっきらぼうな高校生役なのですが、ヒロインとケンカしたときには彼女が好きなプリンを手作りしてアパートで待つ、なんていう不器用で健気なシーンも。“はじこい”とは違うタイプの、かわいいいかよ…! ってやつですね。
前作の『L・DK』は壁ドンブームの元祖だけに、今回もあごクイ×壁ドン、腰抱き×壁ドンなどあの手この手のハイブリッド壁ドンが登場してほとんどデフレ状態に。しかし横浜流星×壁ドンの何がいいって横からのアングルが多いため、彼のチャームポイントであるビューラーいらずのくるりんまつ毛がばっちり拝めること! この映画を観ながら、壁ドンはされるものではなくて眺めるもの、という結論にいたりました。空手の世界大会で優勝したこともある彼だけに、身体能力の高さも抜群。5月10日には、チアリーディングに挑戦している『チア男子!!』も公開されます。
② 沼にハマる婦人続出!? King & Prince
これまでの人生、ジャニーズにはまったく興味がなかったのに気づけば沼に…という婦人が続出しているKing&Prince。永瀬廉が主演、メンバーの神宮寺勇太も出演しているのが、ミステリー小説の映画化『うちの執事が言うことには』です。永瀬廉が演じるのは日本が誇る名門の若き当主。頭脳明晰で色彩に関する伸び抜けた感知能力を持っているという、とんでもないおぼっちゃま。現実離れした役柄ではあるのですが、ステージでのMCなどから垣間見えるほわ~んとしているのに品がある永瀬自身の魅力がうまく重なり、思わず婆や気分で見守ってしまいました。
パティスリーのオーナーを罪なチャラさで演じた神宮寺のほかにも、ミモレのインタビューにも登場した清原翔がビシッと七三の執事役で出演。朝ドラ『なつぞら』など話題作への出演が続くメンノン出身の注目株は、横浜流星と同じく髪型によってまったく違う印象になるのが強み。そしてこの映画ではとにかく身のこなしが美しい! こんなバトラーが身近にいたら…というリアルな妄想が捗るというよりも、お世話される永瀬廉とお世話する清原翔を永遠に見ていたい…という願望が勝る作品。“うち執”には前クールで大きな話題を呼んだドラマ『3年A組-今から皆さんは、人質です-』でも目立っていた神尾楓珠も出演しています。
③ 鈴木仁、佐藤大樹…応援したくなる次世代の俳優
次世代のライジングスターがひしめいていたドラマ『3年A組』で存在感を発揮していた鈴木仁の出演映画『4月の君、スピカ。』も公開されます。鈴木仁はメンノンモデルであり、ドラマ『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』で脚光を浴びるなど王道を進んでいる俳優。あどけなさと大人っぽさが絶妙にブレンドされた持ち味を生かして、『4月の君、スピカ。』では天文好きで無口な美少年を演じています。佐藤大樹(EXILE / FANTASTICS from EXILE TRIBE)がちょっと軽めな男の子に扮していますが、イマドキ感より硬派な純情が際立っているのも好印象。天文部が舞台だからか全体的にどこか昭和の香りが漂う、婦人に優しい青春映画です。親戚気取りで応援したくなる次世代の俳優たちを、ぜひスクリーンでチェックしてみてください!
<作品紹介>
『L・DK ひとつ屋根の下、「スキ」がふたつ。』
全国ロードショー
監督:川村泰祐
出演:上白石萌音、杉野遥亮、横浜流星、高月彩良、堀家一希、 町田啓太
©「2019 L・DK」製作委員会
『うちの執事が言うことには』
2019年5月17日(金)全国ロードショー
監督:久万真路
出演:永瀬廉、清原翔、神宮寺勇太、優希美青、神尾楓珠
©️2019「うちの執事が言うことには」製作委員会
『4月の君、スピカ。』
4月5日(金)新宿ピカデリー、イオンシネマ他全国ロードショー
監督:大谷健太郎
出演:福原遥、佐藤大樹、鈴木仁、井桁弘恵、夏目かな
©️2019杉山美和子・小学館/「4月の君、スピカ。」製作委員会
映画ライター 細谷 美香
1972年生まれ。情報誌の編集者を経て、フリーライターに。『Marisol』(集英社)『大人のおしゃれ手帖』(宝島社)をはじめとする女性誌や毎日新聞などを中心に、映画紹介やインタビューを担当しています。
文筆家 長谷川 町蔵
1968年生まれ。東京都町田市出身。アメリカの映画や音楽の紹介、小説執筆まで色々やっているライター。著書に『サ・ン・ト・ランド サウンドトラックで観る映画』(洋泉社)、『聴くシネマ×観るロック』(シンコーミュージック・エンタテイメント)、共著に『ヤング・アダルトU.S.A.』(DU BOOKS)、『文化系のためのヒップホップ入門1&2』(アルテスパブリッシング)など。
ライター 横川 良明
1983年生まれ。大阪府出身。テレビドラマから映画、演劇までエンタメに関するインタビュー、コラムを幅広く手がける。人生で最も強く影響を受けた作品は、テレビドラマ『未成年』。
メディアジャーナリスト 長谷川 朋子
1975年生まれ。国内外のドラマ、バラエティー、ドキュメンタリー番組制作事情を解説する記事多数執筆。カンヌのテレビ見本市に年2回10年ほど足しげく通いつつ、ふだんは猫と娘とひっそり暮らしてます。
ライター 須永 貴子
2019年の年女。群馬で生まれ育ち、大学進学を機に上京。いくつかの職を転々とした後にライターとなり、俳優、アイドル、芸人、スタッフなどへのインタビューや作品レビューなどを執筆して早20年。近年はホラーやミステリー、サスペンスを偏愛する傾向にあり。
ライター 西澤 千央
1976年生まれ。文春オンライン、Quick Japan、日刊サイゾーなどで執筆。ベイスターズとビールとねこがすき。
ライター・編集者 小泉なつみ
1983年生まれ、東京都出身。TV番組制作会社、映画系出版社を経てフリーランス。好きな言葉は「タイムセール」「生(ビール)」。
ライター 木俣 冬
テレビドラマ、映画、演劇などエンタメを中心に取材、執筆。著書に、講談社現代新書『みんなの朝ドラ』をはじめ、『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』ほか。企画、構成した本に、蜷川幸雄『身体的物語論』など。『隣の家族は青く見える』『コンフィデンスマンJP』『僕らは奇跡でできている』などドラマや映画のノベライズも多数手がける。エキレビ!で毎日朝ドラレビューを休まず連載中。
映画ライター 細谷 美香
1972年生まれ。情報誌の編集者を経て、フリーライターに。『Marisol』(集英社)『大人のおしゃれ手帖』(宝島社)をはじめとする女性誌や毎日新聞などを中心に、映画紹介やインタビューを担当しています。