劇場版『名探偵コナン 紺青の拳(こんじょうのフィスト)』 ©2019青山剛昌/名探偵コナン製作委員会


ヒットを支える、大人の女性ファンの存在


映画界から発生したと言われている“ゴールデンウィーク”。この時期の目玉はもはや国民的シリーズといっても過言ではない、劇場版『名探偵コナン』ではないでしょうか。謎の組織に毒薬を飲まされて体が縮み、見た目は小学1年生になってしまった工藤新一。江戸川コナンと名乗り、生活することになった彼が、様々な事件を解決していくミステリーです。「小さくなっても頭脳は同じ、迷宮なしの名探偵。真実はいつもひとつ!」という名ゼリフがおなじみで、青山剛昌原作のコミック、テレビアニメも変わらぬ人気を誇っています。

 

人気ぶりがちょっとピンとこないという世代のために昨年の記録を紹介すると、映画年間興行収入ランキングの1位は『ボヘミアン・ラプソディ』、そして2位に輝いた『劇場版コード・ブルー−ドクターヘリ緊急救命−』(93億円)に迫る勢いで3位につけたのが『名探偵コナン ゼロの執行人』(91.8億円)! シリーズ最高の興行収入という、子供たちだけが劇場に駆けつけたのでは成し遂げられない数字の裏側には、推しに対する無限の愛情を注ぐ大人の女性ファンの存在がありました。

『ゼロの執行人』でメインになったのは、人気キャラクターのひとり、安室透。心優しい私立探偵、影を感じさせる黒ずくめの組織のメンバー、正義感あふれる公安警察ゼロ所属の男。3つの顔を持つギャップありすぎのキャラクターが放つ語り尽くせないほどの魅力が、熱狂的なリピーターを生み出したのです。劇場版で新しい顔を見せてくれた安室透を(興行収入)“100億の男”に!と何度も映画館に足を運ぶ“安室の女”たちが出現。私も劇場で安室の「僕の恋人は…」というセリフを聞いた瞬間に執行され、無事に天に召されました。

 
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