「これから」の社会がどうなっていくのか、100年時代を生き抜く私たちは、どう向き合っていくのか。思考の羅針盤ともなる「教養」を、講談社のウェブメディア 現代ビジネスの記事から毎回ピックアップしていきます。
今回は、ミモレから発売した日めくり31日カレンダー『永遠に伝えたい美智子さまのお心』の監修も手掛けた、皇室ジャーナリスト・渡邉みどりさんの特別寄稿をお届けます。
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明仁天皇と美智子さまの平成の時代から、皇太子浩宮さまと雅子さまの令和の時代を迎える。天皇陛下が浩宮さまに御位を譲られるように、皇后のお立場も、美智子さまから雅子さまにバトンが渡される。美智子さまと雅子さま、実は皇室に入る前から深い縁で結ばれていた。取材歴60年の伝説の皇室ジャーナリスト・渡邉みどり氏が感慨をこめて書き綴る。
雙葉学園を卒業した5人の女性たちのつながり
美智子さまと雅子さまの深いご縁。それは、学生時代にさかのぼる。
美智子さまが聖心のご出身ということはよく知られているが、幼稚園から小学校は雙葉学園に通われていた。そして、母・正田富美子(ふみこ)さんも雙葉学園(当時は雙葉高等女学校)のご出身。
そして、小和田家では、雅子さまも母・小和田優美子さん、祖母の江頭寿々子さんもそろって雙葉学園をご卒業されていることが、一層学園のロイヤルイメージを高めている。
美智子さまと雅子さま、そして母や祖母といった代々が雙葉学園のご出身ということに、私は不思議な縁(えにし)を感じざるを得ない。雙葉学園とは、いったいどのような学校なのであろうか。
NHKのジャーナリストから政界に進み、厚生大臣を務めた川崎秀二の夫人、美緒子さんは雙葉学園の古い卒業生である。彼女は母校の校訓「徳においては純真に、義務においては堅実に」を誇らしげに言う。
「美智子さまは雙葉をとても大切にしてくださり、同窓会には毎年出席されています。美智子さまの母・正田富美子さんも雙葉の古い卒業生で、私が大変尊敬している先輩です」
美緒子さんは、雅子さまと皇太子さまのご結婚が決まったとき、わがことのように喜んでこう語ってくれた。
「正田富美子さんは、雙葉の伝統的な教育を美智子さまに充分教えていらっしゃいました。皇太子さまも、そういう美智子さまの日常を見てお育ちになっているので、ごく自然に雙葉出身の雅子さんに一目ぼれなさったのでしょう。皇太子さまはお目が高いと思います。
四谷も田園調布の雙葉学園もみな同じです。初めて出会う方が地方の雙葉のご出身であっても、『雙葉です』と聞くとすぐ親しくなってしまい、まるで親戚のように感じるのです。そういうことが伝統のスクールカラーなのでしょう。雙葉出身のお嬢さまがお妃に決まってうれしく思っています」
俳優の中井貴恵さんも雙葉学園の卒業生として、学校時代をこう振り返る。
「高1のとき、文化祭でバラエティーショーをやりましたが、私たちとしては、やはり画期的なことで、先生方の厳しい目を感じ、ひやひやしたのを覚えています。子育てをするようになると、自然な形で奉仕する精神を教えていただいたと感謝しています」
元巨人軍の長嶋茂雄監督夫人の亜希子さんと娘の三奈さんも、親子二代の雙葉学園卒業生である。
声楽家の五十嵐麻利江さんもこう語ってくれた。
「服装、髪型、寄り道禁止などが厳しく決められています。シスターが叱るときの口調は優しいのに、ときが経ってからじわじわと反省の気持ちが湧いてくるようなことをおっしゃいます。子どもをお預けすれば、無理なしつけをすることなく、きちんとした女性に育ててくれる学校だと思います」
皇室に入られるような女性を何度も育て、著名人もこぞって入学する雙葉学園とは、いったいどのような学校なのであろうか。
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