ホルモン周期によるイライラは、自分の力ではどうにもできないことも。だからといって放っておくて、家族にも迷惑をかけてしまう……。女性にとって身近で気兼ねなく相談できる生涯のかかりつけクリニックを目指し、婦人科診療とエイジングケアの最先端治療をおこなっている『成城松村クリニック』の松村圭子院長は、「第三者の手を借りてストレスを減らすことも大切」と説いています。
ねぷこさんからの質問
Q. ホルモン周期からくるイライラで、
良くないと分かっていても子どもの前で夫婦喧嘩をしてしまいます。
多分生理前とか排卵とかそういった身体の周期なんだろうと思いますが、定期的に些細なことでイライラしたり、怒りっぽくなったり、相手の言動に悲しくなってしまったりして、夫と喧嘩になってしまいます。子どもができ、上が3歳、下が1歳。止まっていた生理が復活したせいか、またまた定期的に喧嘩が始まりました。3歳の方はいろいろ分かるようになってきたので、子どもの前で夫婦喧嘩はなるべくしたくないと思っているのですが、どうしても止められなくて、子どもの前でもいがみ合ったり、悲しくなってしまったり、どうにもイライラが収まらなくなってしまったり……。夫とは20年も一緒にいるので慣れたものですが、逆に考えると、20年も改善されないということ。良くないとは分かっていますが、どうしたら良いのかがわかりません。(40歳)
特別ゲスト 松村圭子先生の回答
A. 夫に事情を説明しておくこと。あとは子育てにおいて、
できる限り人の手を借りることも大切だと思います。
生理周期によるイライラというのは、ある程度は仕方のないことなのですよね。生理前や排卵期は、ホルモンの急変動がある時期ですから、体も心もバランスが取りにくくなってしまうものです。それだけに、夫婦間のコミュニケーションと理解、思いやりが大事になってきます。夫に「この時期はイライラしがちになるから、ごめんね」と伝えておくだけでも、だいぶ違うと思います。それで生理が始まって体調が落ち着いたら、罪滅ぼしではありませんが、少し優しくすることで埋め合わせをされてはいかがでしょうか?
ただ、どんなに理由があっても、子どもの前で夫婦喧嘩をするというのは避けたいですよね。とはいえ、当の子どものことでイライラすることもあると思います。今の育児事情は、親兄弟や近所の手を借りられていた昔とは大きく違ってきていますから、子どもが2人もいれば母親のストレスは小さいものではないでしょう。ですから、その中でもできる限り第三者の手を借りるようにすることが大切だと思います。たとえば子どもを少し見てもらえるような自治体のサービスを使うなどして、少しでもいいので一人になれる時間を持つ方法を探るなど……。
ホルモンバランスを整える治療としては、漢方薬を使うこともあります。20年も悩まれているのであれば、試す価値はあると思います。ですが、ねぷこさんの場合、ホルモンバランスの崩れ以前に子育てだけで疲れている、という部分もあるのではないかと思います。そんな自分を少しでもラクにしてあげることが必要です。そして、ホルモンの周期からくるイライラについてはねぷこさんのせいではありませんから、自分を責めないこと。まずはそのように、体と心を緩めることを心がけてください。
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- 松村圭子(まつむらけいこ)1969年生まれ。広島大学医学部卒業。広島大学産婦人科学教室入局後、2010年に成城松村クリニックを開業。「女性にとって身近で気兼ねなく相談できる生涯のかかりつけクリニック」を目指して、婦人科診療とエイジングケアの最先端治療をおこなっている。また『女30代からのなんだかわからない体の不調を治す本』(東京書店)、『女性ホルモンを整えるキレイごはん』(青春出版社)など著書も多数。 この人の回答一覧を見る
- 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『FRaU』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る
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