多くの芸能人が公表したことでも注目を集めているパニック障害。もしも自分が発症したら……? 女性にとって身近で気兼ねなく相談できる生涯のかかりつけクリニックを目指し、婦人科診療とエイジングケアの最先端治療をおこなっている『成城松村クリニック』の松村圭子院長は、「専門的な治療をきちんと受け続けることが大事」と教えてくれました。
einachibaさんからの質問
Q. パニック障害を発症しました。
でも飛行機に乗れるようになりたいのです。
突然車内で具合が悪くなり、パニック障害と診断されました。以来、服薬も不マジメにですが続けており、通勤は特急を使ったり各駅で行ったりと、自分なりに工夫しながら働いております。今のところ上手く付き合えていると思いますが、これからの人生を考えると飛行機に乗れるようになりたいのです。娘と海外に行きたいですし、仕事でも必要になるかもしれませんし、自分の幅が狭くなる気がしていますが、今は乗れる自信が全くなく。催眠療法を試したら良いのか、鉄分補給、カフェインやアルコールをやめるといった体質改善が良いのか……。何をしたら良いのか、考えるたびに壁を感じて落ち込んでいます。(40歳)
特別ゲスト 松村圭子先生の回答
A. いきなり飛行機に乗ることを目指すのではなく
少しずつできることを増やしていきましょう。
まず一番にお伝えしたいことは、きちんとマジメにお薬を続けてください、ということです。パニック障害は、治療に段階というものがあります。ですから治すことを目指して、きちんと段階を追って、しっかりと治療と向き合うことが何よりも大事なのです。
たとえば電車に乗ることに関しても、まずは駅まで行けるようになる、次は電車に乗ることができるようになる、そうしたら今度は乗る区間を一駅伸ばす、といったように、本当に少しずつの前進なのです。einachibaさんはいきなり飛行機に乗ることを目標にされていますが、そうではなく、そこに至るまでの過程をコツコツと大切に踏んでいってほしい。地に足をつけて、「急がば回れ」の精神で、治療をきちんと受けられてください。今のような自己流が一番良くないのではないかと私は思うのです。
ただ同時に、病気の原因となっているものを排除していくことも大事です。ストレスはもちろん、「こういう場がダメ」というのでしたらその場を避けるようにする、など。ただしそれも、先ほど「駅」を例にお伝えしたように、少しずつ許容範囲を増やしていくことも大事です。
とにかく専門医にきちんと相談して、時間をかけてきちんと治療していく。そのように治療の向き合い方を修正されることを、強くお勧めしたいと思います。
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- 松村圭子(まつむらけいこ)1969年生まれ。広島大学医学部卒業。広島大学産婦人科学教室入局後、2010年に成城松村クリニックを開業。「女性にとって身近で気兼ねなく相談できる生涯のかかりつけクリニック」を目指して、婦人科診療とエイジングケアの最先端治療をおこなっている。また『女30代からのなんだかわからない体の不調を治す本』(東京書店)、『女性ホルモンを整えるキレイごはん』(青春出版社)など著書も多数。 この人の回答一覧を見る
- 山本 奈緒子1972年生まれ。6年間の会社員生活を経て、フリーライターに。『FRaU』や『VOCE』といった女性誌の他、週刊誌や新聞、WEBマガジンで、インタビュー、女性の生き方、また様々な流行事象分析など、主に“読み物”と言われる分野の記事を手掛ける。 この人の回答一覧を見る
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