日本への留学生や労働者が急増し、年々その存在感を増している国・ネパール。身近にありながらも、その文化については未だ知られていない部分が多くあります。世界のライフスタイルを“旅”のフィルターで読み解くトラベルカルチャーマガジンTRANSITでは、そんなネパールの文化を取り上げました。ここではその誌面の一部を紹介。ネパールの食の基本であるアーユルヴェーダの考え方と、そのエッセンスが満載の定番料理・ダルバートのひみつをお届けします。 

アーユルヴェーダを食で取り入れる。ネパールの「ダルバート」とは?_img0
 


ネパールの健康食、ダルバートとは?


ダルは「豆(のスープ)」、バートは「ごはん」の意味で、日本の味噌汁と白米のような位置付け。これを基本とし、タルカリ(カレーや野菜炒め)、サーグ(青菜の炒め物)、アチャール(ピクルス)、チャツネ(ソース)、パパド(薄焼きせんべいのようなもの)などのおかずがワンプレートにのっている定食のようなもの。おかずの数や種類は家庭や食べる時間帯によって変わる。豆や野菜、ハーブやスパイスを多用しているので栄養バランスがよい。


ポイント① ヘルシーなオイル

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ギーかマスタードオイルを使うのが一般的。ギーは昔から使われており、煙点(煙が出始める温度)が高く焦げ付きにくいため、身体に有害な活性酸素が作られにくい。消化力を高め、身体の炎症を抑えたり毒素を排出する働きもする優秀なオイルだ。


ポイント② 手食”で味わう

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アーユルヴェーダでは指先に「土」「水」「火」「風」「空」の五元素があり、5本の指を使って食べるとそのバランスが整うといわれる。また、指は“第二の舌”とも呼ばれるほどで、温度や質感を確かめながら食事に集中することで実際に消化力もアップする。


ポイント③ “六味”のバランスを意識して


ダルバートは基本的に甘、酸、塩、辛、苦、渋の六味を一度に食べられるよう構成され、六味が揃うと栄養バランスも整うと考えられている。各味覚の性質はこの後解説する「トリ・ドーシャ」との相性があるので、とくに不調時はこれを参考に味覚を選び取り入れて。ただ、本来トマトやリンゴは渋味に分類されるのにもかかわらず、現在日本の農産物の多くは甘めに作られ本来の味覚と実際の味が異なるものも多いので、味の強い食材を選ぶこと。


【3つの体質、トリ・ドーシャとは?】


アーユルヴェーダでは、私たちの心と身体をつくり動かしているエネルギーを、ヴァータ(空・風)、ピッタ(火・水)、カファ(水・土)の3つの性質に分類している。それぞれ次の診断項目で大まかに判断できるので、自分がどの体質か診断してみよう。

 
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