カファタイプ向けのダルバート
1.ナス、ピーマン、ネギのタルカリ
マスタードシードとクミンシード(各小さじ1/4)をひまわり油で熱し、ペーストにした玉ねぎ(1/4カップ)をきつね色になるまで炒め、ニンニクと生姜(各小さじ1)、ターメリックパウダー(小さじ1/4)を加える。 2㎝角のナス(2本)と1.5㎝角のピーマン(1個)、1㎝に切ったネギ(1/2本)と塩(小さじ1弱)を入れさらに炒め、クミンパウダー、コリアンダーパウダー(各小さじ1 / 2)、チリパウダー、ガラムマサラ(各小さじ1 /4)、ペーストにしたトマト(1 /2 個)、湯(1カップ)を入れて沸騰後弱火で7~8分煮る。最後にレモン汁とパクチーを加える。
3.ほうれん草のサーグ
フェヌグリークシード(ふたつまみ)と鷹の爪(1本)をマスタードオイルで熱し、みじん切りのニンニク(小さじ1/2)とターメリックパウダー(少々)、塩(小さじ1/4)、3㎝に切ったほうれん草(3 / 4束)を加えしんなりするまで炒める。
4.トマトチリチャツネ
トマト(1個)をグリルし皮をむいてミキサーでペーストにし、塩とチリパウダー(各小さじ1/ 4)、グリルした青唐辛子(1本)、すりおろしニンニク(小さじ1/ 4)、マスタードオイル(小さじ1)を加えさらに攪拌する。
ダルバートで体質改善!
インド、スリランカ、ネパールと、広いエリアで生活の一部として受け継がれているアーユルヴェーダだが、土地や気候の違いに合わせて、その内容は微妙に異なる。海に面した常夏の南インドやスリランカは、気温が高いため火の性質であるピッタ関連の病気が多く、必然的にココナツなどを用い身体を冷やすピッタ関連の知識が充実している。
一方ネパールは、海がなく標高が高いため風の性質のヴァータが乱れやすく、それに合わせて保温や保湿を意識した食事や生活習慣が根づいている。日本人はというと、ライフスタイル的にとても忙しく情報も多いことからヴァータ体質が多い。四季があり日本と気候が似ているという点からも、ネパール流のアーユルヴェーダは日本人に合っているといえるだろう。
とくにダルバートはアーユルヴェーダの知識が凝縮された完全栄養食。食材で栄養バランスを考えるのは大変だが、6つの味覚(甘、酸、塩、辛、苦、渋)で判断するならそれほど難しくはないはず。これを覚えれば、醬油は塩味、酢は酸味など、日本の食材にも応用できるのもうれしい。
ダルバートには多くのスパイスが登場するが、まず揃えたいのは、もっとも多用されるクミンとコリアンダー、ターメリック。調理は油→ホールスパイス→薬味→野菜→パウダースパイス→トマト→水という工程が基本で、生では消化されにくいホールスパイスは、その栄養や香りを抽出するため熱した油で炒めるのがベター(焦げないように!)。
ダルバートはスパイスや野菜がふんだんに使われており、必要な栄養素がバランスよくとれる優れもの。自分のタイプを見極め、体調に合った食材や調理法を探してみるのも楽しいでしょう。あなたもネパール流の食事で、体をととのえてみては?
監修:水野香織●アーユルヴェーダ料理研究家。アユルダ代表。ヨガのトレーニングを修了し、ネパールや南インド出身の師からアーユルヴェーダを学ぶ。都内や名古屋を中心に料理教室を定期開催。
現在発売中のTRANSIT43号には、食だけでなく、心、美容をととのえる、様々なネパール式健康法を紹介しています。
<書籍紹介>
『TRANSIT(トランジット)43号 カトマンズもヒマラヤも! 愛しいネパール』
発行 euphoria factory / 発売 講談社 ¥1800(税別)
3月14日(木)発売 電子版も発売中!
TRANSIT43号では、世界最高峰のエベレストをはじめとする8000m級の山々に抱かれた国・ネパールを特集しました。特集:ネパールでココロ・カラダととのえ塾(アーユルヴェーダと哲学/聖なる植物/家庭料理/セルフケア)、ヒマラヤ不思議百貨(高所と人体/消えた王国・ムスタン/開拓の歴史 etc)、ゆっくりいこう、ネパール(政治/経済/環境/教育/キーパーソン)など。付録:「ガイドブック・ネパールでしたい88.48のこと」「〈THE NORTH FACE〉のヒマラヤステッカー」。
監修・写真(ダルバート写真)/水野香織
文/土屋朋代
前回記事「アーユルヴェーダを食で取り入れる。ネパールの「ダルバート」とは?」はこちら>>
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