近年、モンスタークレーマーが社会問題になっていることから、対処方法などに注目が集まっていますが、一方で、明らかに自身に非があるにもかかわらず、素直に謝罪できないビジネスパーソンも少なくありません。成功者に言わせると「これほどの機会損失はない」という解釈になるのですが、それは何故でしょうか。

ビジネスで成功した人の多くが「仕事でのトラブルは、相手から信頼を得る絶好の機会である」と述べています。

つまり、自分のミスで相手を怒らせてしまったことは、大きなチャンスでもあるわけです。ところが多くの人が、素直に謝ることができないせいで、この大きなチャンスを逃しています。

このように説明すると「何でも謝っていたら、相手の思うツボだ」という反論が聞こえてきますが、それは違います。厳しいようですが、もし、そのように感じているとしたら、あなたは、まだ人を見抜く力が磨けていません。

誠実な人が、その誠実さゆえに相手の不誠実な態度に怒りを示していることと、クレーマーが文句を付けてくる行為は根本的に異なります。誠実な人というのは、たいてい自分にも他人にも厳しいですから、あなたがミスをして、それを正当化するような発言をすれば怒りを示すでしょう。

しかし、そのような人は、あなたが誠実に問題に対処すれば必ず納得します。それどころか、トラブルをきっかけにさらにあなたを信用してくれるはずです。

一方、ただのクレーマーは、相手を貶めることしか考えていませんから、どう対応しても、決して納得することはありません。このような相手は付き合う価値がありませんから、人を見極める能力が高い人は最初から付き合いを回避しますし、もしトラブルになった場合には、毅然と対応して撃退するだけです。

こうした見極めをせず、すべての人をクレーマー体質だと決めてかかってしまうと、大事な人脈を失う可能性があるということを筆者は言いたいのです。

相手に謝罪する際「ご心配をかけたことをお詫びします」というフレーズをよく耳にしますが、これは、謝罪の言葉としては最悪パターンのひとつです。もしあなたにまったくミスがないのであれば、そもそも謝罪する必要はありませんから、その行為自体が無意味です。非がないのに謝るのはそれこそ相手の思うツボです。

 
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