こんにちは!

先週、ブルックリンのお話をします、とお伝えしましたが、その前に行ったところについて楽しく書いていたら、ごめんなさい、ブルックリンに辿りつきませんでした。とても興味深い場所だったので今回もよろしくお付き合いくださいませ。

 

私がニューヨークに来るきっかけとなった映画『ブルックリン』はアイルランドの田舎町から、アイリッシュ・ソサイエティがあるブルックリンに移住した女性のお話。「アイルランドの移民」というのも私の旅のテーマの一つでした。

さて、今回はブルックリン地区のガイドブックも書いている安部さんというニューヨーク在住の女性に半日、案内をしてもらいました。「トラベロコ」という、現地に関する知識や経験を持つ日本人と日本人旅行者を結びつけるウェブサイトを利用してお願いしました。(昨年、母とのアルザス旅行もこのトラベロコを利用しました)

安部さんは、高校生の時に短期留学でこの地を訪れ、絶対に将来ここに住む!と決めて、初志貫徹、現在ニューヨークで仕事を持ち、在住17年だそうです。高校生の頃の私も同じく、まさに、ニューヨークに住む!と思い描いていましたが、意思が弱く度胸もなかったのでしょう、あれよあれよと流され「ドメスティック」に落ち着いて今に至ります(苦笑)。安部さんは女性一人、ニューヨークでやっていくために幾多の困難を乗り越えたんだろうなあ、という熱いパッション、それを持続させるエネルギーを感じる人でした。ランチでちょっと飲みながら、身の上話をほろ酔いで聞かせてもらうのも刺激的でとても楽しかった。なんてったって、私がティーンエイジャーの頃に夢みていたことを実現している女性なのですから。

そんな彼女と最初に待ち合わせしたのは、ブルックリンではなく、マンハッタンのローワーイーストサイドにあるテネメント博物館

テネメント美術館の正面。こちらの裏側がアパートの入口になっています。建物の中の写真撮影が禁じられていたのが残念。

「tenement」とは、直訳すると長屋という意味ですが、貧しい地区にある複数の家族がひしめき合って暮らす賃貸の共同住宅のことです。アイルランドの移民のことをネットで調べていてこちらにいきあたりました。この博物館の建物には19世紀末から20世紀初頭までの移民が常時20家族、72年間でのべ7000人が暮らしていたそうです。部屋がそのまま保存されていて(ぼろぼろです)、実際に使用していたキッチン用品や家具が置いてあり当時の暮らしが再現されています(こういう再現もの、大好きなんです)。

 
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