「お金持ちは、お金についてどんなふうに考えているの?どうつきあっているの?」というミモレ編集部の疑問から生まれたインタビュー企画。マネー業界のトップの方々に「お金持ちのお金の価値観」についてじっくり伺っていきます。
今回ご登場いただくのは、ファイナンシャルアカデミーグループ代表の泉正人さん。「お金の教養」を学べるスクール運営を行っている泉さんに、マネーコラムニストの西山美紀と編集部員の片岡が話を伺いました。
<今回お話を伺ったのは……>
泉正人さん
ファイナンシャルアカデミーグループ代表。一般社団法人金融学習協会理事長。2002年にファイナンシャルアカデミーを創立し、代表に就任。身近な生活のお金から、会計、経済、資産運用に至るまで、独自の体系的なカリキュラムを構築。東京・大阪・ニューヨークの学校運営を行い、「お金の教養」を伝えている。著書に『お金の教養』(大和書房)、『お金原論』(東洋経済新報社)他多数。
――前回の記事では、お金を増やす正解を知るために、「中立的な情報」を探していくことが大切だというお話を伺いました。
泉正人さん(以下敬称略):はい、誰かに相談をしにいって、相手の言っていることをそのまま信じていると、正解は見つかりません。まず、相手の言っていることが正しいかを知るためには、「言動・行動・結果」が一致しているかを見極めることが重要です。
――「言動・行動・結果」がブレていないということですね。
泉:そうです。例えば、スレンダーとは言えない僕が、「ダイエットを教えてあげるよ」なんて言っても、誰もアドバイスを聞かないですよね(笑)。
ダイエットは、誰からみても明らかに「言動・行動・結果」がわかりやすいと思います。
美容やスポーツでも同じです。「この人のように美しくなりたい」「この選手のように上手になりたい」という相手から、教えてもらうことに価値があると思います。
――確かにファッションも、憧れのスタイリストさんからアドバイスをいただきたいですもんね。
泉:はい、日常生活では、そうやって「言動・行動・結果」が一致している人から、話を聞こうとすると思いますが……これが、お金の話となると、いっきに判断が鈍ってしまうのです。
もし、僕が「いい不動産の買い方を教えてあげるよ」と言ったら、どう思いますか? 「この人は、いい不動産を買っているか」「不動産で、しっかりもうけているか」というのは、話しただけではよくわからない。
つまり、お金については、「言動・行動・結果」が一致しているかどうか、非常に判断しにくいのです。
そのため、相手の言っていることが正しいのかがわからず、だまされてしまうケースが多々あります。
――お金についてよく理解できず、だまされていても気づかない人もいるかもしれません。
泉:それが本当に危険です。ですから、お金については「誰の話を聞くか」がものすごく重要。そこで、もし金融機関に行ったらその担当者にぜひ聞いてもらいたいことがあります。
僕がいつも聞くようにしていることなのですが、「この取引で、あなたはいくら入るんですか?」という質問です。
――なんとストレート! なかなか聞きづらいような気がします。
泉:はい。でも、そうやってストレートに聞いてまったく問題ないと思うんですよ。だって、自分の利益とのバランスが重要ですから。相手にも手数料が入るのは当たり前ですが、それが多すぎて、自分の利益が少なかったら、その金融商品を買う意味がありません。
もし、相手に入るお金が多すぎるようだったら「もう少し手数料が安い、他の商品、ありませんか?」と聞くようにしています。
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