「お金持ちは、お金についてどんなふうに考えているの?どうつきあっているの?」というミモレ編集部の疑問から生まれたインタビュー企画。マネー業界のトップの方々に「お金持ちのお金の価値観」についてじっくり伺っていきます。
今回ご登場いただくのは、ファイナンシャルアカデミーグループ代表の泉正人さん。「お金の教養」を学べるスクール運営を行っている泉さんに、マネーコラムニストの西山美紀と編集部員の片岡が話を伺いました。

 

<今回お話を伺ったのは……>

 

泉正人さん
ファイナンシャルアカデミーグループ代表。一般社団法人金融学習協会理事長。2002年にファイナンシャルアカデミーを創立し、代表に就任。身近な生活のお金から、会計、経済、資産運用に至るまで、独自の体系的なカリキュラムを構築。東京・大阪・ニューヨークの学校運営を行い、「お金の教養」を伝えている。著書に『お金の教養』(大和書房)、『お金原論』(東洋経済新報社)他多数。

 

――世の中の「お金持ち」は、いったいどうやってお金を増やしているのでしょうか。

泉正人さん(以下敬称略):お金持ちがお金を増やしている方法は2つあります。それは「フローリッチ」と「ストックリッチ」です。

この2つがごちゃごちゃになっている方が多いですが、世にいう「億万長者」「ミリオネア」と言われる人は、「ストックリッチ」の方ですね。

――「フローリッチ」と「ストックリッチ」?フローは流れる、ストックはたまる、という意味ですが……。

泉:はい。つまり1億円などの大きなお金がすでに貯まっている人は、「ストックリッチ」です。
一方で「フローリッチ」とは、お金が常にどんどん入ってきている状態。年収3000万円の経営者なんかを指します。

「お金持ちになりたい」と思ったら、毎月どんどん収入を得たいのか、それともたくさんのお金を貯めたいのか、「フローリッチ」と「ストックリッチ」の、どちらを目指したいかをまず考えてみるといいでしょう。

――年収3000万円を目指すのと、1億円の資産を持つのとでは、これからやるべきことが大きく異なりますね。

泉:そうですね。年収500万円でも、出費を極力おさえていけば、いつか1億円を作ることはできますが、年収3000万円を目指そうと思ったら節約をしていても叶えられません。

とはいえ、お金持ちを目指すのに、「フローリッチ」と「ストックリッチ」のどちらを目指したらいいか、という正解はありません。ただ、長期的に考えてみると、「ストックリッチ」の方が、資産を多く持っているので安定的と言えます。

――でも、資産を多く持っていても、無計画に使い切ってしまってはいけないですよね。

泉:持っている資産を上手に運用することも必要です。何も考えずにお金を貯めて、それをただ切り崩していくというのは、不安になりますから。
お金を貯めると同時に、貯めたお金にも働いてもらって、そこでも稼いでもらうようにしたいところ。

30~50代の女性なら、まだまだ時間がありますので、「フローリッチ」も「ストックリッチ」も、両方目指せると思いますよ。

 
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