夫はポジティブで素直でおっとり、そして筋肉質で散らかし屋。対する妻はネガティブで気難し屋で攻撃的、虚弱体質で綺麗好き。

全く正反対なのに、いや正反対だからうまくいく、そんな凸凹(でこぼこ)夫婦の日常を描いたコミックエッセイが人気です。Pixivでの閲覧数は1億PVを超え、ツイッターのフォロワーは14万人、コミックスの売り上げも好調で、今年は待望の続編も刊行されました。
 

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妻はマンガ家。「波乱万丈な家庭」で育ち、些細なことでイライラ、夫にもつっかかりますが、おっとり旦那は悠然として取り合いません。それどころかその都度ユーモラスにかわし、妻もいつのまにか何でイライラしていたのか、何で喧嘩をしていたのか忘れてしまいます。

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妻のネガティブな感情にとことん付き合って、悩みや不満を聞いてくれる夫もいるかもしれませんが、「おっとり旦那」はそうではありません。

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幼い頃のトラウマが蘇り、小さな女の子のように泣きじゃくる妻を、何も言わずに受け入れる夫。


寄り添うのではなく、拍子抜けするほど意外な言葉や行動で、地下に潜りそうになる気持ちをふわっと救い上げてくれる。察してくれようとする言葉(ちょっとズレているとイラっとする)よりも、何も考えていないような楽観的で大らかな態度こそが、どんどん思い詰めてしまいそうなときには、救いになる。そんな「夫のあり方」に多くの女性の共感の声が集まっているようです。

昨年来、HSP(高度に繊細な人)が人口全体の20%いることが話題となっており、実際に「私は気難しい、生きづらい」と思っている人は非常に多いことを考えると、女性たちが夫やパートナーに、そんな自分の生きづらさを解消してくれる、和らげてくれる「大らかさ」「おっとりさん」を求めるのも頷けます。

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『私のおっとり旦那』

木崎アオコ 著 スクウェア・エニックス¥1000

マンガ等の投稿系SNSサイトPixivであっという間に累計1億pv突破、Twitterのフォロワーは14万。大柄でおっとりしている公務員の「旦那さん」と、綺麗好きでせっかちなマンガ家の「私」の日常を描いた、話題沸騰中のコミックエッセイ。「おっとり旦那」との出会いやプロポーズを綴った描き下ろしエピソードも80ページ以上収録。