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知らないとマズい「大人の虫歯」3つの原因

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大人になってケアの大切さを実感する、そのひとつが「歯」。「歯は一生付き合うモノなのに、ケアの仕方を間違えている人が多いですね」と医療法人社団・歯科むとうの武藤昌文先生。
子どもの頃に教えてもらったケア法もいつの間にか自己流になっていて、実は間違ったお手入れをしているという人が多いのだとか。今回は、虫歯になる理由からお家でできる正しいお手入れ法まで、歯のケア法をQ&A方式で紹介します。

 


大人だから知っておきたい「虫歯」のこと

 


Q1.虫歯を放置しておくと重症化すると聞きました。「虫歯かな?」とわかる症状があれば教えてください。


まず、歯に痛みがあるか否かを確認してみてください。例えば、

・冷たい物を口にした時にしみる
・温かい物を口にした時にしみる
・何もしていなくてもズキズキと痛い
・噛むと痛い

これらの症状が一つでも当てはまる場合は、虫歯の可能性が高いと思います。おっしゃる通り、虫歯を放置しておくと深刻化していきます。
歯の中にある神経や血管を通して細菌が体を巡り、発熱・頭痛・リンパ節の腫れなどを併発します。いわゆる「歯性感染症」といいます。これがさらに重症化すると歯から顎や喉に炎症が広がり、治療が困難になるケースも。

・飲み込む時、のどが痛い
・歯が浮いた感じ
・顎の下のリンパ節が腫れて痛む

などといった症状がある場合は注意が必要です。


Q2.そもそも虫歯の原因は何ですか?

 

虫歯の原因は大きく3つの要素があります。この3つの要素が混じり合うと、虫歯のリスクが高くなります。

原因① 虫歯菌=細菌(プラーク)の数が多い
口腔内には細菌が300〜700種類ほどあるといわれていて、細菌の量も100人いれば100通り、個人差があります。

・よく歯磨きをする人  1000〜2000億個
・あまり磨かない人   4000〜6000億個
・歯磨きを全くしない人 1兆個以上

虫歯の仕組みを簡単に説明すると、口の中の細菌(主にミュータンス菌)がプラーク(歯垢)となって歯の表面に付きます。すると細菌が歯を溶かす強い酸を出し、歯の表面に穴をあけます。これがいわゆる虫歯の始まりです。
当たり前ですが歯磨きをしないと口腔内にプラークが溜まり、虫歯のリスクは高くなります。

原因② 生まれ持った歯の質
歯の質によって虫歯になりやすい人・なりにくい人がいるのは事実です。これは生まれ持った性質によるものが多いのですが、(生まれた後の)歯の形、歯列など環境によって虫歯になりやすくなってしまうケースもあります。


原因③ だらだら食いも虫歯の原因に
ご存知のとおり、食べ物と虫歯の関係性は大いにあります。一番の重要ポイントは「糖質」です。食べ物に含まれる糖質は、虫歯菌が酸を作らせる「エサ」になります。特に糖質を多く含む間食が多い人、飴や甘い飲み物が好きな人、だらだらと食べ続ける癖がある人は要注意。必然的に歯の表面が酸に触れる機会が多くなるので、虫歯のリスクが高くなります。


Q3.唾液が少ないと虫歯になるってホント?


唾液は口腔内環境を整える大きな立役者と言っても過言ではありません。唾液は99%以上が水分でできており、唾液の中に含まれるカルリウムやリンが歯の「再石灰化」、つまり虫歯の進行を抑える働きをします。他にも歯に付着したプラークを洗い流す「自浄作用」、口の中の細菌数を減らす「抗菌作用」など唾液の働きは多岐にわたります。

ですが、唾液はストレスや疲れ、加齢、薬の副作用などで分泌量が減少してしまいます。口腔内が乾燥すると口の中の細菌数が増え、虫歯菌を増やすことに。良質な唾液を出すことは、歯のケアには良いと考えられているのです。

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