エディターという仕事は身も心も粉にして働くから、好きじゃなければ絶対に続かない、と言われがちではあるけれど、もちろん役得だっていくつもある。
特に私にとって最大の特権は、老若男女問わず、第一線で素敵に生きる人に会って直接話を聞けるチャンスが多いということだ。
とりわけ、私にとっては未知の世界を悠々と羽ばたく女性の先輩方の口から紡がれる言葉は、ここだけの話、文字にして世に出す前の包み隠さない姿の方が良くも悪くもずっとずっとリアル。

 

特にあまりよくないことについては、なんとなくでも事前に分かっていると心の準備ができて、自分なりに楽しみへと変換できるから本当にありがたい。

気になる話は山ほどあるのだけれど、特にここ1年ほどダントツで個人的に気になっているのが、ツヤについて。

ツヤが必要、ツヤが欲しい、ツヤを足したい…
ライフスタイルや装い、ヘアメーク…目に映るものの話をして、先輩方からツヤというワードが出てこない日はない。

正直、肌も髪もガサガサじゃ気まずいな、程度の意識だったし、服や生活用品に関してはキラリと光るものよりむしろマットな方が洗練されている気がして好んでツヤのあるものを選ぶことはごく僅か。

けれど、冷静に考えてみれば確かに今の私自身、20代の頃ほどの瑞々しさはもう持ち合わせていないし、せっかくこの役得で、数年後にはある日突然、あれ?と思う日がくるとわかっているのだから、これからの年月を丁寧に重ねてその年代ごとの魅力を楽しむためにも、今から必要に応じてツヤを上手に操れる準備をしておきたい。

そんな風に思ってツヤの投入を意識し始めると、メークも装いも、そして生活用品にも、日常でツヤを感じるたび、見た目はもちろん、気持ちも生活も潤いが増して感じ、気分のあがる回数が格段に増える。

キラキラした毎日より、ツヤのある毎日を送り続ける人でありたい、と心底思うようになった。

 
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