来日で話題のローマ法王フランシスコ「家族を大切にしたくなる言葉」

11月23日から26日まで、バチカン市国からローマ法王フランシスコが日本にやってきます。来日中は長崎・広島でメッセージを発信したり、東日本大震災の被災者との集いを持たれたり。さらに東京ドームでの５万人近い参加者とのミサを行ったり、天皇陛下とお会いしたりと大忙し。そんな法王は、一般家庭で育ったことから普通の人々の悩みや苦しみ、喜びに寄り添う心を持っていることで知られています。今回、法王のこれまでの講和から「家族が穏やかに暮らせるあたたかい言葉」を選んでご紹介しましょう。

法王フランシスコ
第266代ローマ法王。1936年、アルゼンチンのブエノスアイレス生まれ、本名ホルヘ・マリオ・ベルゴリオ。初めてのラテンアメリカ出身で、初めてのイエズス会員の法王。アルゼンチンで同会の管区長、神学院長などを務めた後、ブエノスアイレス大司教となり、2013年3月に行われたコンクラーベ（法王選挙）において、法王に選出される。

「ありがとう」
それは、気高い魂が咲かせる花です。
ほんとうに美しいことです。

現代社会は、乱暴なやり方やひどい言葉をまるで解放の印であるかのように使用する社会になってしまった、そう思えることがあります。優しさと感謝の心が、弱さのしるしとして考えられ、不信を招くことすらあります。この傾向が、家庭という、まさに懐であるはずのところにあってはなりません。……命の知恵をも持っていた老人が、
「感謝はね、高貴な地で育つお花なんだよ」
と言っていました。このような、心の中にある神の恵み、魂の気高さにより、わたしたちは感謝の思いを「ありがとう」と口にするよう駆り立てられます。

(2015年5月13日、サンピエトロ広場にて)