インフルエンザ流行の「特効薬」は、働き方改革かもしれない_img0
 

今年もインフルエンザの季節がやってきました。毎年、年末年始あたりから流行が始まり、2月あたりにピークを迎えることが多いのですが、今年は、流行のスタートが早く、一部の地域ではすでにかなり猛威を振るっているようです。インフルエンザに備えるにはどうすればよいのでしょうか。
 
インフルエンザは感染症ですから、何らかの形でウイルスに感染することによって発症します。ウイルスが体内に取り込まれる経路は様々ですが、もっとも多いと考えられているのが、手に付着したウイルスを口や鼻、目から取り込んでしまうパターンだそうです。

人は無意識に、手で口や鼻、目などを触ってしまいますが、実はこれが感染を引き起しています。電車のつり革、エレベータのボタン、コピー機など不特定多数の人が指で触れる部分は、雑菌やウイルスの温床となっていますが(食事前後の読者の方には申し訳ありませんが、つり革やボタンは便器よりも汚いケースがあるそうです)、これらに触れた手をそのまま口や鼻に持っていけば、当然、そこから大量のウイルスが体内に侵入します。

せっかくマスクなどで対応しても、これでは効果が半減どころか、場合によってはゼロになってしまうでしょう。

日本は、満員電車での長時間通勤という感染対策としては世界最悪の環境があるにもかかわらず、どういうわけか接触感染に対する意識が薄く、あまり対策が行われていません。

米国のテレビ番組などでは、1分間に人が何回、手を口や鼻にあてるのかを実例で示し、こまめな消毒の効果が大きいことを説明していますし、冬になると会議の開催を控えたり、可能な限りペーパーの書類を回覧しない、あるいは、回覧後に消毒するといった措置を行っている企業もあるようです。通勤電車は回避できませんが、これらの措置をしっかり実施していれば、社会全体として流行をある程度、抑制できるはずです。

しかしながら、インフルエンザ対策でもっとも重要なのは、無理をせず十分な睡眠を取り、万が一、罹患した時には徹底的に休養を取ることでしょう。残念なことに、この点においても日本の企業社会には極めて大きな問題があります。

 
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