【中谷美紀インタビュー】いつもやめたかった…女優としての2度の大きな転機

ドラマを通じて感じた大人の友情

現代の東京で自分らしさを手放さないためにサバイブするリミの周りには、いつも彼女の話に耳を傾けてくれる友人たちがいます。『FOLLOWERS』は大人世代の友情の物語とも言えるかもしれません。
「リミはとても友人に恵まれていると思います。何があってもジャッジせずにそのままのリミを受け止めてくれるというのは本当にありがたい存在でしょうし、マネージャーのゆる子（金子ノブアキ）に関していうならば、仕事のパートナーでもあり友人でもあるというのは、なかなか難しいことだと思うんですね。仕事とプライベートをともに共有できているというのは、稀有な存在なのではないかと思います。

私にもゆる子のようなゲイの友人はいますけれども、やはり彼らの前では自分を繕うことなく本音で話すことができますね。性別や国籍が異なることはもちろん、職業も様々で、年齢が離れている友人もいます。過度に依存も干渉もせず、距離感を持ってお互いの生活をリスペクトしながら、相手がいいときも悪いときも決してジャッジしない。そういう人間関係は生き方を豊かにしてくれるんじゃないかな、と思います」

結婚を機にオーストリアを拠点に暮らしている中谷さん。撮影を通して改めて、「私たちが想像する以上に、東京や日本は世界中から注目されている場所なんだなと気づかされました」と語ります。現代の東京を象徴するきらびやかなロケーションの中でも、東京タワーが最も印象に残ったそう。

「やはり東京を象徴するシンボルだと思います。中でも撮影させていただきましたし、こんなところから東京タワーが見えるんだ、というような今まで知らなかった絶景ポイントでも撮影ができました。
海外の友人たちのなかには『ロスト・イン・トランスレーション』のロケ地の巡礼をしている人が何人かいて、あの作品を観てパークハイアットに泊まりたいとか、あの作品に出てくるカラオケ屋さんに連れて行ってほしいと言われることがあります。カラオケ屋さんはどこにあるのかわからなくて、連れて行ってあげられなかったのですけれども（笑）。この作品も恐らく海外の方がご覧になったときに、あのロケ地に行ってみたいと思ってくださるような美しい東京の姿が切り取られているのではないかと思います。（ロケ地めぐりの）ガイドブックを作ったほうがいいかもしれないですね（笑）。

日本人でも訪れたことがないような熊野古道や平泉、最近人気があるのは直島ですとか屋久島、あとは白馬など日本のことを海外の方のほうがよくご存知で、とても恥ずかしく感じることがあります。世界遺産になっている五箇山の合掌造りや岐阜県の白川郷もまだ訪れたことがないのですが、むしろ外国の方が訪れていますよね。とても魅力的な場所に生まれ、魅力的な場所で演じることができているんだなというふうに思いました」
 

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