連載を打ち切られ実家暮らしのアラサー漫画家・キダニエル先生は、深夜から明け方にかけて仕事をするという典型的な夜型人間。

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昼前に起きてリビングへ向かえば、母の手作りほかほかご飯が食べられるという自由気ままな実家暮らしを謳歌していたある日、少し前から体調がすぐれなかった母に急性白血病という診断がくだされます。

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今回はほのぼのとしたタッチの絵ですが、闘病する母を支える家族の視点で描かれたエッセイマンガ、『連載を打ち切られた実家暮らしアラサー漫画家の親が病で倒れるとこうなる』をご紹介します。

 

その日を境に実家から出たことのないアラサー男子(長男)、キダニエル先生の暮らしはガラリと一変。そう、病院の手続きや保険の申請書類はもちろん、車の運転も料理も洗濯も、さらにはクリーニングさえ出しに行ったことがなかったのです。突然降りかかった境遇に戸惑いながらも慣れない家事を引き受け、自宅と病院を往復する日々。

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ことあるごとに「夢みたいやな」と呟く母。
それを聞くたびに「いや、現実なんだ」と実感するキダニエル先生。

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お見舞いに訪れる親戚や母の友人が来るたびに、病状を説明しなくてはならないこと。誰に頼るでもなく生きてきた父親の本音に、先生とは正反対の陽キャラ、弟への想い。そして目の前に叩きつけられる検査結果の数値。感情が追いつかずちょっと待ってと思っても、お構いなしに訪れる現実。

感情をあまり表に出さないお人柄なのでしょうか、先生は起こったことを淡々と綴っていきます。しかし、そのことでこの作品が決してフィクションではないということを強く感じずにはいられません。

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また、初めて白血病を告げられたときのキダニエル先生の母のことば、入院してから家が心配でとった行動などーー。家族最優先のお母様の様子にも胸が詰まります。
日常生活もコミュニケーションも少し苦手な先生と、そのご家族の感情の揺れ、病院での様子や治療、投薬のことを丁寧に大切に描いてくださいました。

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ミモレ世代には他人事とは思えない「親の介護」、さらには病に倒れるということは誰にでも起こりうる話。キダニエル先生のご家族に起こったことは、何も珍しい話ではありません。
まずは無料公開をご覧ください。1・2巻同時発売(完結)です。

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『連載を打ち切られた実家暮らしアラサー漫画家の親が病で倒れるとこうなる(1) (ワイドKC)』

著者 キダニエル 講談社

連載を打ち切られた漫画家・キダニエルに、更なる困難が待ち受けていた。突如として、彼の母に「白血病」の診断が下されたのであった。家族と共に母の闘病を支えることになったキダニエル。ポップな絵でシリアスなテーマを描く、Twitter発の実録ルポ!