なかなか聞けないイデコ(iDeCo)のこと「投資未経験者は、何をどう始めればいい?」_img0
 

マネーコラムニストの西山美紀です。

先日、東京ビッグサイトで行われた資産運用EXPOにて「幸せが増える!人生100年時代のお金の貯め方・増やし方」と題した講演をさせていただきました。多数のご参加をいただき、「資産を増やしたい」だけでなく、「幸せもしっかり増やしたい」という方の熱気を感じました。これからも「お金と幸せ」の両方を増やしていくための方法を模索し、発信していきたいと思います。

今回参加いただいた方から「投資をしたことはないけれど、イデコが気になる」という声をいくつかいただきました。

そこで、「投資をまったくしたことがないけれど、イデコは気になる」という方に、何から始めたらいいかについてお伝えしたいと思います。

 


「イデコって何?」を簡単に紹介


イデコ(iDeCo)とは、個人型確定拠出年金のこと。自分で金融商品(投資信託など)を選び、老後に向けて積み立てていく仕組みです。少子高齢化社会で、私たちの世代が将来もらえる年金は、減る見込み。自分で老後資金を準備していく人に「税金を少しお安くしてあげますよ」と政府が後押ししています。

私自身もイデコを2014年から始めています。フリーランスで退職金がなく、もらえる年金も会社員に比べて少ないため、老後資金として準備しています。

イデコでは、定期預金など元本保証の商品も買えますが、世界経済の波に乗れるような投資信託を積み立てています。投資なので一時期は元本割れの状態になったときもありますが、相場が低いときも毎月自動的に買っていく仕組みのおかげもあり、現時点では大きくプラスになっています。


「つみたてNISA」と「イデコ」どちらから始める?


「税金を少しお安くしてあげますよ」という税金の優遇がある仕組みには、イデコ以外にNISA(少額投資非課税制度)もあります。積み立てていくタイプは、つみたてNISAといいます。

イデコとつみたてNISAのどちらも、利益に対して税金(約20%)がかからないメリットがあります。それぞれ年間に積み立てができる上限金額や期間が決まっていて、イデコは働き方によってかわり、積み立てができるのは60歳まで、つみたてNISAは毎年40万円まで、投資期間は20年間までです。

イデコとつみたてNISAが違う点は、大きく2つ。

1つめが、イデコは、つみたてNISAよりもさらに税金面でお得になり、毎月積み立てた場合、その積み立てた金額が所得控除といって、所得税が軽くなるという大きなメリットがあります(収入が高い人ほど、お得です)。

もう1つが、つみたてNISAはいつでも売却や出金ができますが、イデコは60歳までできないという注意点があります。

つまり、イデコはつみたてNISAに比べて「税金面ではお得だけれど、60歳までお金を出せないことに注意」と覚えておきましょう(もっと細かい違いもありますが、ここでは省きます)。

そのため、投資未経験者は、いきなりイデコをはじめると、仕組みが少々複雑で、60歳までお金を出せない点がネックになる場合もあるため、「まずはつみたてNISAからの方が始めやすい」とアドバイスしています。

 
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