マネーコラムニストの西山美紀です。

「投資」をやってみたいけれど、「でもやっぱり怖いかも……」と保留にしている方、「投資」といっても、実はいろいろなタイプがあることをご存じでしょうか。
例えるなら、大きく分けて「一輪車」のような投資と、「電動自転車」のような投資の2つがあると私は思っています。


「一輪車」のような投資とは?

 

「一輪車」のような投資とは、前後左右に揺れ動く状況を見極めながら、臨機応変に対応しなければならない投資。よそ見をしていると、転んでしまうため注意が必要です。

 

たとえば、「株」などがあげられます。一部のプロフェッショナルな人をのぞき、多くの人が相場の変動にうまく対応できず、やみくもに買ったり、慌てて売ったりということを繰り返してしまいがち。なぜか高値で買い、なぜか低値で売り、仕事中も家事の間も気になってしまったり……。

そして、急な下り坂に直面したらどうなるでしょうか。思わずパニックになり、降りてはいけない場面で飛び降りて痛い目にあうのです(むしろ、早く降りないで乗り続けることで痛い目にあうことも)。

うまくなれば、そのあたりのバランス感覚も身に付きますが、やはり一定期間の訓練が必要。「危ない場面になったら、こう対処する」と事前にしっかり身体に叩き込んでおけば、いろいろな局面を乗り越えられます。

一輪車にうまく乗れたら、楽しいのも事実。事前にしっかり学んだうえ、転んで多少のケガをしながら自分なりのバランス感覚を身に付けていく必要があるでしょう。


「一輪車」のような投資で、大コケした体験

私はまさに、リーマンショックのときに、「一輪車」のような投資で大コケしました。

株をいろいろ持っていたのですが、右肩上がりで喜んでいたのも束の間、思いもよらぬ緊急事態! 急な下り坂の坂道に直面して焦り、危ない場面で自ら降りて、大きなマイナスになりました。足元ばかりを見て恐れおののき、無謀な行動に出てしまったのです。

本当なら、冷静にその道の先を見渡してみれば、途中からゆるい上り坂になっていたはず。危ない坂で慌てて降りなくても、そのまま乗り続けていれば、再び楽しい道を進んでいくこともできたでしょう(事実、売った株たちはその後、もとの価格に戻っていきました)。

大コケしたことで対処法を学び、どう乗りこなしたらいいかが自分なりにわかりました。今後は多分、大きなケガをすることはなく、それなりに楽しむことができるでしょう。

いくら本を読んで知識を頭に入れても、いざ身をもって経験してみると勝手が違うもの。精神的なものにも大きく左右されるため、株などの「一輪車」のような投資はやはりリスクが高い。

投資初心者の方は、いきなり「一輪車」に乗り込むのではなく、リスクに対してどのように対処したらよいかを知ったうえで、少しずつチャレンジする方が安心だと思います。

 
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