「見た目もごくごく普通で、夕方のスーパーで投網を打てば、同じような感じの女性がたんまり捕まえられる、そんな……おばちゃんです」と自身を語るのは、現在アラフィフの小野春さん。

そんな小野さんが、少しだけ他の“おばちゃん”と異なるのは、「バイセクシュアルであること」でした。

今でこそ「LGBTQ」や「ダイバーシティ」といったワードが頻繁に聞こえてきますが、小野さんが現在のパートナーである“麻ちゃん”こと西川麻実さんと出会った20年前、同性パートナーとの恋愛は非常にクローズドなものでした。
しかもかつて小野さんは男性と結婚していて子どもが2人おり、一方の麻ちゃんも、やはり夫と娘がいたのです。
そんな2人が離婚して子連れ同棲をはじめ、結婚式をし、さらに現在、国を相手に訴訟を起こしているのです。
今回、そんな小野さんの波乱万丈な道のりを綴った著書『母ふたりで“かぞく”はじめました。』から、「家族」のあり方について考えてみたいと思います。

著者の小野春さん。LGBTの家族やその周りの人々をつなぐ「にじいろかぞく」を主催する傍ら、「結婚の自由をすべての人に」訴訟の原告のひとりとして活動を行う。

「私の初恋は幼稚園で同じクラスの男の子でした。その後も男の子を好きになるので、私は自分に“異性愛者ではない可能性”があるとは思いつきもしませんでした。もともと恋愛にはあまりノレないし、私のわずかな恋愛の知識によれば、“異性愛”のほかにあるのは“同性愛”で、そういう人は、はじめから同性だけを好きになるのだと思っていたのです」

 

そんな風に自分自身のセクシャリティを理解していた小野さんは20代の時、トントン拍子に結婚話が進んだ彼氏と結婚します。しかし当時の夫は仕事が忙しく、ワンオペ育児で壮絶な「孤育て」を経験。
そんな中、女子校時代、女友だちに対して感じた淡い恋心を思い出したことから、小野さんは自身のセクシャリティにはじめて向き合ったといいます。

「もしかして、私は同性愛者だったりする可能性があるのだろうか?」