大草ディレクターの最新刊『大草直子のNEW BASIC STYLE』より、ベーシックアイテムを効率よくアップデートするアイデアをご紹介。最終回となる第5回はデニム編。5年目のデニムをはいていると5年前の人に見えてしまうから、定番アイテムこそ更新が必要、と語る大草ディレクター。今年らしいデニムの着こなしとは?
その人のおしゃれの更新速度を表すのは、何をおいてもデニムです。堅牢な素材ゆえ、何年、いや十何年ともってしまうけれど、「長年着続ける」ことと「おしゃれであり続ける」ことは、デニムに関してはイコールではありません。
もちろん、名品は多くありますが、ずいぶん年数が経ったヴィンテージを今っぽく着るのは、込み入ったスタイリングセオリーやアイデアが必要です。
デニムはそういう存在ではなく、パッと合わせて気軽におしゃれの偏差値を上げるためのアイテムだから、難しい道を選ばず、デニム自体を更新しましょう!
ブラックデニム
ブラックデニムもはき込むと、こんな絶妙なグレーに。色みが鍵だから注意深く。クリーンに着たいなら、このデニムみたいに白がたっぷり入った色を。
ピンクを添えて、目指せ!「デニムなのに女っぽい」
「いつもはセットで持たない、ピンクのサンダルとバッグを採用すると、“艶っぽさ”をプラスできます。カジュアルなのに、どこか女っぽい――がいつも理想」
ハイウエストデニム
80年代に流行したハイウエストで、テーパードラインのデニムをアップデートした1本。太ももにゆとりがあり、裾に向かって細くなっているから、脚のラインをきれいに見せてくれる。
ピンクを見せたいなら、裾を折ってうんとラフに
「裾のロールアップは着こなしに合わせて1回か2回、あくまでざっくりと。例えば、こんなアンクルストラップのサンダルとのコーディネートなら、少しストラップが見えるまで、1回くるっと」
テーパードデニム
デニムは、情報収集を怠らず、かなりこまめにチェックするように。今気分なのは、少しウエスト位置の高いテーパード。「少し」が重要で、おへそ少し上くらいがちょうどいい。
女っぽいジャケットは、デニムで甘さをマイナス
「コンシャスなジャケットロゴTシャツ。遊び心のある上半身に合わせるのは、やっぱりデニム。ハイウエストのサマーブルーのデニムだから、スピード感が加わりマダムっぽさを払拭してくれます」
裾カットデニム
3年くらい愛用していて、しかもサイズ違いで持っている、若者ブランドの1本。膝が丸く大きいからスキニーをはかない私の脚を、細く見せてくれる、なくてはならないデニム。
仕事のときは、ベルトと靴で緊張感を
「仕事の内容にもよるけれど、ブルーよりも“影になってくれるから”仕事でも活用できるのがブラックデニム。ウエストマークして、ポインテッドの靴を合わせ、印象をシャープに」
何気なくずっとはき続けているデニムがある、という方も、しばらくデニムから遠ざかっているという方も、今年らしい1本が見つかれば、ワードローブが新鮮に見えてくるかもしれませんね。
<書籍紹介>
『大草直子のNEW BASIC STYLE:理論派スタイリストが私服で解説! ベーシックがいつも、いつまでも新しい理由』
大草直子 著 三笠書房
約2年ぶり、待望のスタイリングブックである本書は、大草直子の考える「ベーシックスタイル」のすべてが分かる決定版。この数年、インスタグラムなどのSNSでさまざまなおしゃれ情報があふれ、おしゃれは「服を次々に買う」「アイテムで盛る」方向に動いてきました。そのように混沌としたなかで、あえての「ベーシックスタイル(普遍的なデザイン、長く着られる服)」を持ち、一枚の服を工夫して大切に着られる「育ちの良さ」がある人が、これからは本当の“おしゃれ”だと考えます。
★ベーシックスタイルとは?
★ベーシックスタイルをブラッシュアップして、いつも素敵に見せる方法とは?
その解答を書き下ろしエッセイ&オール撮り下ろし144コーデでお教えします!おしゃれにもう、悩まなくなる1冊です。
撮影/川﨑一貴(MOUSTACHE)〈人物〉、坂根綾子〈静物〉
文/出原杏子
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