大草ディレクターの最新刊『大草直子のNEW BASIC STYLE』より、ベーシックアイテムを効率よくアップデートするアイデアをご紹介。最終回となる第3回はトレンチコート編。ベーシックなものは10年近く愛用しているという大草ディレクター。スタイリングで古くも新しくもなる、というトレンチコートの着こなしのポイントとは?
例えば着方。フロントを開けて着るのか、きっちりボタンを留めるのか。袖をまくる?そのまま落とす?――など、少し工夫するだけで、印象は大きく変えられます。ラフに着流すのか、かっちりとした雰囲気を大事にしたいのか、そのシーズンの「気分」をぜひすくいとって。
そしてどんなアイテムを合わせるか。トレンチコートの裾からのぞくスカートの丈やデザイン。パンツの太さやレングス。もちろん、バッグと靴とのバランスだって、とても大きい。あらゆる着こなしに合うからこそ、「どんなスタイリングにしたいのか」をよくよく考えて、トレンチコートとのコミュニケーションをいつも新鮮にしておきたいものです。
ベーシックトレンチコート
9年近く愛用し続けているのが、「超ベーシック」なアクアスキュータムのトレンチコート。チンカバー、肩章、ベルトのD環など、オリジナルのトレンチコートだから、ずっと長く愛用できる。
面談で子供たちの学校へ。そんなときもトレンチ頼み
「面談や保護者会で子供たちの学校へ行く日は、ネイビーか黒がドレスコード。はおるコートも、トレンチコートがベスト。知性と誠実さ――欲しい印象を、その日選ぶ服が、作ってくれます」
デザイントレンチコート
オーセンティックなデザインの次に買うなら、デフォルメしたデザインも。肩章、袖のストラップはそのまま、ドレスのような華やかさがあるから、カジュアルに着崩せます。
1:小さく色を効かせて。ベージュのコートが楽しげに
「大きな襟がつくるフェミニンな印象をベースに、色の小物をちらしています。首元、手元、足元――遠くに配することで、乾いたベージュのコートが、プリントの1着に見えるほど楽しげな印象になります」
2:肩に掛けてドラマティックに
「コットンの堅さを生かして、”テントのようなシルエット”に。インナーを柔らかなシルクにすることで、素材のコントラストが生まれ、着こなしに強さが生まれる。肩掛けがキマるのもトレンチコートの特徴です」
3:薄手のタートルで、きちんとしたVゾーンに
「ノーカラーのコートは、インナーの襟のデザインを選ばないから、仕事、ドレスアップ、カジュアル…とシーンをいくつもまたげるのが魅力。リブのタートルニットなら、クラシカルな仕事服を叶えてくれます」
いかがでしたでしょうか。この他にも、『大草直子のNEW BASIC STYLE』には、大草ディレクターの最新コーディネートが盛りだくさん!ぜひご自身の“ベーシック”の見直しに、コーディネートの参考に…ぜひチェックしてみてくださいね。
<書籍紹介>
『大草直子のNEW BASIC STYLE:理論派スタイリストが私服で解説! ベーシックがいつも、いつまでも新しい理由』
大草直子 著 三笠書房
約2年ぶり、待望のスタイリングブックである本書は、大草直子の考える「ベーシックスタイル」のすべてが分かる決定版。この数年、インスタグラムなどのSNSでさまざまなおしゃれ情報があふれ、おしゃれは「服を次々に買う」「アイテムで盛る」方向に動いてきました。そのように混沌としたなかで、あえての「ベーシックスタイル(普遍的なデザイン、長く着られる服)」を持ち、一枚の服を工夫して大切に着られる「育ちの良さ」がある人が、これからは本当の“おしゃれ”だと考えます。
★ベーシックスタイルとは?
★ベーシックスタイルをブラッシュアップして、いつも素敵に見せる方法とは?
その解答を書き下ろしエッセイ&オール撮り下ろし144コーデでお教えします!おしゃれにもう、悩まなくなる1冊です。
撮影/川﨑一貴(MOUSTACHE)〈人物〉、坂根綾子〈静物〉
文/出原杏子
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