一方、携帯電話の通信料金については、電気料金ほどの制約はありません。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの大手3社は、利用者から申し出があった場合、料金の支払いが5月末まで猶予されます。現時点で詳細は決まっていませんが、感染拡大が長引く場合には、5月以降についても何らかの措置を実施することを検討しているようです。格安SIMの会社については対応がまちまちですので、それぞれ契約しているサービス会社のWebサイトなどで確認してください。

 

生命保険や損害保険など保険会社各社も保険料の支払い猶予に対応しています。

日本生命など生命保険会社各社は、保険料の払い込みについて最長で6カ月間の延長に応じる方針を発表しました。6カ月の猶予があると資金繰りをかなり調整できますから、今、厳しい環境にある人にとってはありがたい仕組みといってよいでしょう。損害保険の場合、少し条件が厳しく5月までとしていましたが、4月6日には、損害保険協会が猶予期間を9月まで延長すると発表しています。

 

住宅ローンは、今回のコロナに限らず、経済状況が悪化した場合には、返済スケジュールの変更などに応じてくれるケースが少なくありません。これも契約している金融機関次第ですが、返済が厳しくなりそうな人は、まずは金融機関に相談してください。

住宅ローンは延滞すると損害金が取られるだけでなく、場合によっては優遇金利が消滅するなど、今後の支払いなどに大きく影響しますから、可能な限り延滞を回避する必要があります。生命保険の商品の中には、保険を担保に借り入れができるものもありますから、こうしたサービスを利用するというのもひとつの方法でしょう。

企業に勤めているのではなく、フリーランスなど自営業の形態で働いている人や、勤務先の厚生年金に加入していない人は国民年金や国民健康保険に加入しているはずですが、どちらの制度にも保険料の猶予もしくは減免の制度があります。詳しくは各自治体に問い合わせてください。

奨学金を返済している人にも、コロナウイルスによる減収などがあった場合には、状況に応じて、減額や返済猶予といった措置が実施されます。

非常に厳しい状況ですが、こうした制度をフル活用して、何とか危機を乗り越えてください。

前回記事「批判を受けて方針変更…政府の給付金がほとんどアテにならない理由」はこちら>>

 
  • 1
  • 2