女優の岡江久美子さんが新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなりました。報道によると、発熱から3日ほどで様態が急変し、急遽入院したといいます。
このウイルスによる感染症の世界的な流行に、どのように対応していったらいいのでしょうか。
ミモレでは、新型コロナウイルス感染症患者を診察する医師の協力を得て、このウイルスに向き合うための記事を継続的に発信しています。 

今回は、「医療崩壊を起こさないために私たちができること」です。
過去の記事も参照いただき、新型コロナウイルスに落ち着いて対応しましょう。
 

およそ2日。志村けんさんの死にみる新型コロナの「重症化スピード」と「タチの悪さ」>>

 


医療崩壊とは何か


新型コロナウイルスの感染者が全国的に増え続けています。東京を含む特定の地域では、日々100名を超える新規感染者が報告されることも珍しくなくなりました。新たな感染者数は、そのすべての方が入院しないにせよ、地域ごとに数十名単位で入院患者さんが増え続けていることを意味しています。

 

一方、一度入院した患者さんは多くの場合、数日ですぐに退院できるというわけではなく、1週間や2週間、重症化した方では長いと1ヶ月も入院することになります。このため、現在の入院患者数というのは刻一刻と増え続けています。

日本全体の医療者の声に耳を傾けると、流行が続き、当初から積極的に患者を受け入れてきた医療機関はすでに危機に瀕している一方、まだ十分余力のある医療機関もあるなど、今のところばらつきがあります。

しかし、このまま感染者の増加が続けば、医療崩壊が全国各地で頻発してしまうリスクがあると言っていいでしょう。

そこで、本記事では、我々医療者からの視点ではなく、一般の方の視点で何ができるかということを考えていければと思います。

医療崩壊は、「必要としている人に必要な医療が安定して届けられなくなる状態」を指していると考えられます。すなわち、医療の需要が供給を遥かに上回り続けた時、生じるものと思います。
 

医療崩壊を起こさないためにできること


では、これを防ぐためにはどうすれば良いか。ここには大きく二つのアプローチが考えられます。

需要と供給のバランスの崩れが原因なのですから、一つは供給を増やすこと、そしてもう一つは需要を減らすことです。

よく医療崩壊とセットで語られがちなのは、人工呼吸器を増産せよ、医学生にも労働をさせよ、といった供給を増やす「足し算」の考え方ですが、同時に「引き算」の考え方をすることも大切です。

そしてこの「引き算」にこそ、皆様のご協力が必要になるのです。

ここにはもちろん医療体制としての対策も様々に考えられますが、ここではあくまで一般市民レベルで何ができるかというところに焦点を当てて、まとめていきます。
 

新型コロナ重症化リスクのある5つの持病>>