ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」でハイスペックな役を演じ、ブレイクした大谷亮平さん。最新主演ドラマ『異世界居酒屋「のぶ」』では、中世ヨーロッパのような異世界となぜか繋がってしまった居酒屋の大将、矢澤を演じます。日本のどこにでもありそうな居酒屋に、なぜか時空を超えて異世界の人たちが訪れる。ファンタジーの要素が強い台本を読んだ段階では、不安を感じたといいます。
大谷亮平 Ryohei Otani
1980年、大阪府出身。2003年に韓国のCM出演が決定したのを機に韓国に拠点を移しモデル・俳優として活躍。韓国では、映画『神弓』『バトルオーシャン 海上決戦』など数々のヒット作に出演。「朝鮮ガンマン」では韓国ドラマアワード2014グローバル俳優賞を受賞。2016年より日本での活動をスタート。ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」「ノーサイド・ゲーム」など数々の話題作へ出演。ドラマ『異世界居酒屋「のぶ」』をはじめ、今後も待機作が多数控える。
「すごく面白い世界観だけども、現実からここまで離れた作品をやったことがなかったので、コントになってしまわないか、正直最初は心配でした。日本のごく普通の居酒屋で出てくる生ビールや料理に、異世界からやってきた人たちが心から驚くといったシンプルな話なのかなとも思っていましたし。それが、台本を読み進めると、一つ一つのエピソードが心温まるもので、中には涙するものもあったんです。食を通じて、人の心を動かすこのストーリーに飛び込みたくなりましたね」
しかし、居酒屋のセットの中で、中世ヨーロッパ風のコスチュームを身に着けたお客たちがどう映るのか。実際に現場に立ってみるまで、不安は完全には拭えなかったよう。
「僕は、居酒屋の大将なので問題ないのですが、かつらをつけて衣装を着たお客さん役の皆さんが、セットに馴染むのだろうかと。特に今回は、あまりドラマ撮影では使われない高精度のカメラを使うと聞いて、衣装やヘアメイクに違和感があればすべて映ってしまうのではないかなと。日本の居酒屋に中世ヨーロッパのような格好をした人がいるわけですから、そういう意味での違和感はありました(笑)。でも、臨場感ある高画質の美しい画の中で見事に成立してるんです。それを見て、これは面白くなるなと確信しました」
料理には落ち込んだ人の気持ちを上げる力がある
演じるのは、朴訥とした心優しい料理人。主人公ですが、各話のゲストを立たせることに徹しました。
「カウンター越しにいるお客さんの邪魔にならないように、僕は個を出しすぎず、料理人として黙々と料理を作り、お客さんの話を聞くことに集中しました。ただ、料理を作り慣れていない人間からすると、決められた尺の中で、あれこれして油に入れるといった料理の段取りをこなしながら台詞を言うのは思ったより難しくて、ドギマギしました(笑)」
料理はあまり得意ではないというけれど、どれほどの腕前なのでしょう。
「卵焼き? 焼けますよ(笑)! 普段から野菜スープも作りますし、切ったり、焼いたり炒めたり、自分が食べるものを作る分には問題ない程度にできます。人に振舞える凝った料理はできないんですよね。おいしいものを食べたいならお店で、という考えなので、家では同じものを作り続けてしまいます。でも、撮影で作り方を知って、タコのアヒージョやブイヤベースを自分で作ってみたら、思ったより簡単にできておいしかったんです。タコのアヒージョなんて、名前から凝った感じがするじゃないですか。これから得意料理としてどんどん言っていくつもりです(笑)」
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