新型コロナウイルスの影響で、今後の日本経済は失速する気配が濃厚。会社員の方ならボーナスが減る人もいるでしょうし、そうでない方の中にはまさに今、困難を抱えている方も少なくないと思います。
今のような将来に不安を感じる“危機”のときこそ、お金についての知識があると不安を少しでも軽くすることができます。
今回、『知識ゼロの私でも! 日本一わかりやすいお金の教科書』の刊行を記念して、全6回、アラフォー女性が知っておくべき「令和のお金の新常識」をお伝えします。
さまざまな“お金状況”のアラフォー女性!
“アラフォー女性”といっても、その内情はさまざまです。
仕事を持っている/持っていない、独身/既婚、子どもがいる/いない、持ち家/賃貸、高齢の親がいる/いない……それらの組み合わせを考慮すると何通りにもなり、ほかの世代に比べてもとくに年齢だけでひとくくりにできないのがアラフォー世代といえます。
実際、私のところへマネープランの相談にくるこの年代の女性も、抱えている悩みは人それぞれ。この年齢になると、貯蓄額や入っている保険内容などまでその人の考え方はもちろん、歩んできた人生があらわれてくるものです。どんなことに困っているのかをよく聞いたうえで、個別にアドバイスをしています。
第2回目は「子どもがいる/いない別」に、お金について知っておいてほしいこと、気をつけたい落とし穴をお伝えします。
子どものいる人が気をつけたい3つのこと
□ 住宅ローンの無理な繰り上げ返済はしない
□ 教育費は「払いながら貯める」が基本
□ 自分の学生時代とは事情が全く違うことを知る
現在の教育費はハイパーインフレ状態
子どもを育てているアラフォー世代にとって、お金の面で気をつけたいことの筆頭といえば、子どもの成長とともにのしかかってくる教育費です。
意外に知られていないのですが、今、大学生の2人に1人が奨学金を借りています。私がファイナンシャルプランナーを始めた24年前にも奨学金を借りる学生はいました。ですが、最近は借りている人が多いうえに、金額自体も増えています。私の親戚にもいるのですが、卒業までに500万円もの奨学金(=借金)を背負う学生も少なくないようです。
その一因は、大学の学費がハイパーインフレ状態になっていること。ここ約35年のあいだに、私立、国立ともに授業料が2倍以上になっているのです。「自分が学生だったときは、このくらいだったはず」という感覚のままでいると、ぜんぜん足りない!という誤算が生じます。
それに追い討ちをかけるように、税金や社会保険料アップによって会社員の手取り収入が減少しているので、以前に比べてお金を貯めにくい環境にあることもたしかです。教育費は「払いながら貯める」という意識なしに子どもを大学まで進学させられる人は、まずいません。
「できるなら繰上げ返済」は過去の常識
アラフォー世代なら、住宅ローンを返済中の人も多いでしょう。「繰上げ返済したほうがお得!」といった記事を見かけるかもしれませんが、教育費のことを考えたら、じつは繰り上げ返済なんてしている場合じゃないんです。
金利が高かった時代は、月々の返済額の半分くらいは金利だったため、繰り上げ返済の効果も絶大でした。でも、今は金利が低いので、毎月の返済額のうち3分の2以上は元金返済に充てられているはず。貯蓄すべきお金を無理に繰り上げ返済にまわす必要はないのです。
積立の貯蓄はすべての基本
まずは、使い道を限定しない、色のつかないお金を貯められる体質になりましょう。
20代、30代と比べて世帯収入が増えてくる40代は、お金の面で余裕があるように感じるかもしれませんが、せっかく収入が増えた分は、子どもが18歳になるときに向けて貯金しなくてはいけません。そのために、1年でいくら貯めるかの目標を定め、月々&ボーナスで決まった金額を貯めていく仕組みを作ってください。
超低金利の今、貯蓄型の保険で教育費を貯めるのは不利なのでおすすめしません。会社の財形貯蓄、銀行の自動積立定期預金を活用するのがいいでしょう。
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