まだまだ他にもあります。

 


②「なにわからAぇ!風吹かせます!~なにわイケメン学園×Aぇ! 男塾~」


関西テレビで放送中。過去回がヤフーの無料動画サービスのGyaOですべて無料配信されている上、GyaOオリジナルの映像も配信されています。
この番組では、関西ジャニーズJr.の2つのグループ「なにわ男子」と「Aぇ!group」が週替りでロケに挑戦。さらなるイケメンを目指す「なにわ男子」のキラキラロケに対し、男気がテーマの「Aぇ!group」のロケはアイドルらしからぬ泥臭さにあふれています。

ジャニーズ事務所から「Aぇ!groupは死なん程度に何でもいい」と許可が出ているだけあって、3人4脚での六甲山登山、真冬の山でのサバイバル、罰ゲームのバンジージャンプなど、ロケはわりと過酷かつ長時間。
メンバー同士の足の引っ張り合いも見応えがありますが、アイドルを甘やかさず、なんならニヤニヤと挑発すらしてくるスタッフに、ブーブー文句を言いながらも食らいついていく姿と、その映像に入るテロップで笑えるパッケージになっていることから、いい番組に欠かせない、演者とスタッフの信頼関係が伝わってきます。

それぞれのメンバーが高いバラエティ能力をもつ「Aぇ!group」のなかでも、衝撃的なレベルのひらめきとスキルを見せるのが、最年少メンバーの佐野晶哉(18歳)。
初回「♯2 激辛料理を食べても平然としとかんかい!」のオープニングで、雨が降っているのに傘を放り投げた瞬間から只者ではない空気を醸し出していましたが、彼が覚醒したのは「♯16 男たるものロシアンわさび寿司くらい平然とやったらんかい!」のロケ。
出された寿司は、鮪を残してシャリだけを貪り食う。ワサビ入りのシュークリームを食べたメンバーに渡されたペットボトルを横取りし、涼しい顔をして一気に飲み干す。わさび農園では、わさびを掘りおこしながらわさびの葉に直接噛み付く。
それらは突拍子のない奇行に見えて、番組の「男気」というコンセプトに則っているというクレバーさが光ります。バラエティ番組&お笑い好きはぜひチェックしてみてください。

「なにわからAぇ!風吹かせます!~なにわイケメン学園×Aぇ! 男塾~」

関西テレビにて毎週月曜日深夜24時55分より放送中
番組公式サイト https://www.ktv.jp/naniwa_ae/
GyaO公式サイト https://gyao.yahoo.co.jp/special/naniwa_ae/?source=external.naniwa_ae.off
 


③「東野幸治の幻ラジオ」


ベテラン芸人の東野幸治が2月に開設したYouTubeチャンネル。“YouTube=映像”という固定観念にとらわれず、自宅のリビングで録音した20分強の一人喋りを、音声のみで配信するラジオスタイルなので、純度の高い話芸を存分に堪能できるコンテンツです。
広告が一切入らないため、自動再生モードにすれば、全動画をノンストレスで聴き倒せるのも高ポイント。声のトーンは低め……というよりも、無感情。ぬくもりのない淡々とした声が心地よく、飴色たまねぎ作りや換気扇の掃除など、単純作業のお供にピッタリです。

内容は、他の芸人さん、映画やマンガ、テレビドラマ(第28回「M 愛すべき人がいて」)、仕事全般、最近はリスナー(通称「幻民」)との電話(これはさすがにテンション高めですが)など多岐にわたっています。回を重ねるにつれ、いつしかシリーズのようになってきているのが、東野家の姉妹との現在進行系のやりとりです。
この番組の編集やアップロードなどテクニカルな面のサポートのみならず、長期的視野のもと、ある「野望」を抱いている26歳の長女を、東野は「娘D」と呼び、23歳の次女を「(娘Dの)手下」と呼んでいます。
幼い頃は「ダディ、ダディ」と父親べったりだったのに、今では完全に姉の側に付いた次女とのギスギスしたLINEのやりとりを公表し(第14回)、それに対する手下からの反論LINEを重ねて報告(第15回)。
LINEでは揉め事を避けるために穏便に返信しつつ、オンエアで手下を小馬鹿にしまくる父親VS姉妹のパワーゲームは微笑ましさとスリルを兼ね備えていて、今後の展開が楽しみで仕方がありません。ちなみに手下曰くダディの喋りは「棒読み」だそうです。

東野幸治の幻ラジオ
YouTube https://www.youtube.com/channel/UCSK4Ikp1v5WPe30pTJVe6Zw


以上、隙間時間の気分転換にお役立ていただければ幸いです。
次回は、続々と増えている芸人のYouTubeチャンネルからおすすめをセレクトしたいと思います。

文/須永貴子
 

 

前回記事「【韓国ドラマ】シリーズ全作ハズレなし!『応答せよ』を今こそイッキ見せよ」はこちら>>

著者一覧
 

映画ライター 細谷 美香
1972年生まれ。情報誌の編集者を経て、フリーライターに。『Marisol』(集英社)『大人のおしゃれ手帖』(宝島社)をはじめとする女性誌や毎日新聞などを中心に、映画紹介やインタビューを担当しています。

文筆家 長谷川 町蔵
1968年生まれ。東京都町田市出身。アメリカの映画や音楽の紹介、小説執筆まで色々やっているライター。著書に『サ・ン・ト・ランド サウンドトラックで観る映画』(洋泉社)、『聴くシネマ×観るロック』(シンコーミュージック・エンタテイメント)、共著に『ヤング・アダルトU.S.A.』(DU BOOKS)、『文化系のためのヒップホップ入門12』(アルテスパブリッシング)など。

ライター 横川 良明
1983年生まれ。大阪府出身。テレビドラマから映画、演劇までエンタメに関するインタビュー、コラムを幅広く手がける。人生で最も強く影響を受けた作品は、テレビドラマ『未成年』。

メディアジャーナリスト 長谷川 朋子
1975年生まれ。国内外のドラマ、バラエティー、ドキュメンタリー番組制作事情を解説する記事多数執筆。カンヌのテレビ見本市に年2回10年ほど足しげく通いつつ、ふだんは猫と娘とひっそり暮らしてます。

ライター 須永 貴子
群馬で生まれ育ち、大学進学を機に上京。編集プロダクションを経てライターとなり、エンタメジャンルをメインに、インタビューや作品レビューを執筆。『キネマ旬報』の星取りレビューに参加中。「食」と「旅」と「犬」が好き。

ライター 西澤 千央
1976年生まれ。文春オンライン、Quick Japan、日刊サイゾーなどで執筆。ベイスターズとビールとねこがすき。

ライター・編集者 小泉なつみ
1983年生まれ、東京都出身。TV番組制作会社、映画系出版社を経てフリーランス。好きな言葉は「タイムセール」「生(ビール)」。

ライター 木俣 冬
テレビドラマ、映画、演劇などエンタメを中心に取材、執筆。著書に、講談社現代新書『みんなの朝ドラ』をはじめ、『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』ほか。企画、構成した本に、蜷川幸雄『身体的物語論』など。『隣の家族は青く見える』『コンフィデンスマンJP』『連続テレビ小説 なつぞら上』などドラマや映画のノベライズも多数手がける。エキレビ!で毎日朝ドラレビューを休まず連載中。

ライター 渥美 志保
TVドラマ脚本家を経てライターへ。女性誌、男性誌、週刊誌、カルチャー誌など一般誌、企業広報誌などで、映画を中心にカルチャー全般のインタビュー、ライティングを手がける。yahoo! オーサー、コスモポリタン日本版、withオンラインなど、ネット媒体の連載多数。食べること読むこと観ること、歴史と社会学、いろんなところで頑張る女性たちとイケメンの筋肉が好き。寄稿中の連載は、
「yahoo!ニュース」『アツミシホのイケメンシネマ』
「COSMOPOLITAN」日本版『女子の悶々』
「COSMOPOLITAN」日本版『悪姫が世界を手に入れる』
facebook @atsumishiho
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