【失敗しないベランダ菜園】6月からでも間に合う野菜といい苗の選び方
おうち時間が増えたことで、近頃ベランダ菜園を始める人が増えたそうです。
外に出られないとなるとなぜか無性に土を求めてしまう気持ち、わかります……! かくいう私、ライターの宮島も自宅の裏庭を大家さんから借りて掘り起こし、ミニ畑を始めることにしました。
しかし、始めると決意したのはいいのですが、そもそも何を準備すればいいのかわからない。ネットで調べてみるものの、情報が多すぎて大混乱。結局何が育てやすい野菜なのか、どんな土を買えばいいのか、肥料は……などなどわからないことだらけ。
やるからにはできるだけ失敗はしたくない。
そこで、家庭菜園のプロに直接お話をお聞きすることに。藤田 智さんは大学で野菜園芸学・植物育種学・農業教育学を教える傍ら、NHK「趣味の園芸 やさいの時間」などに出演する、野菜づくりのプロです。
まず始めやすいベランダ菜園について、6月から植えても間に合う野菜と苗を買うときのポイントについて伺いました。今からではもう間に合わないと思っていたアナタ! 大丈夫、まだ間に合います。
初心者は種からじゃなく苗から「いい苗の選び方」
――6月から植えても間に合う野菜はありますか? 少し出遅れてしまったような気がしています……。
藤田「いやいや、まだ植えるのにはいいシーズンですよ。種じゃなくて苗を買ってきて植えればいいんです。きゅうり・トマト・ミニトマト・なす・ピーマン・ししとうなど。夏野菜の苗がホームセンターやスーパー、花屋さんなどで売っているので見てみてください。今はお店で結構いい苗がたくさん売っています」
――いい苗の選び方はありますか?
藤田「あります。茎の下のほうを見てもらって、双葉が残っている苗がいい苗です。双葉というのは種から芽が出て最初に出る葉っぱのことですね。あとは葉っぱを見て、裏表に病気や虫食いなどの害がないこと、色がきれいな緑であること。あとは、ポットの底を見てもらって、そこから根っこがはみ出している苗は元気な苗です」
――種からまず双葉が出て……って小学校の理科で習いました。なんで双葉が残っているのがいい苗なのですか?
藤田「若くて元気な苗ということです。反対にダメな苗は、茎の下のほうに葉っぱがついていなくて上のほうにばかりついているもの。こういう苗を『老化苗』と呼ぶんですが、植えても育ちが遅く、あまり収穫できません」
――この苗の選び方はどの野菜でも同じですか?
藤田「大体共通しています。その上で、きゅうりは葉っぱが3〜4枚、なす・ピーマン・トマトは葉っぱが7〜9枚あって花が咲いているものを買ったほうが早く実がなります。たとえばきゅうりだと苗から植えるとおよそ1ヶ月で収穫、ミニトマトで花が咲いている苗を買うと約35日で収穫できます」
・いい苗を選ぶ基準は、①茎の下のほうに双葉が残っている、②葉っぱに病気や虫の害がない、③葉っぱの色がきれいな緑、④根っこがポットからはみ出ているもの
・花が咲いている苗だと収穫までが早い
育てやすい夏野菜とその植え方は?
――なす・ピーマン・トマトなどの夏野菜の苗はどれも育てやすいですか? 初めてなので失敗して実ができないと悲しくなってしまいそうです。
藤田「なすは少しだけ難しいんです。虫がついたり、ちょっと大きなプランターに植えないといけないので場所をとります。初めてでも手を出しやすいのがミニトマト・トマト・ピーマン・ししとうなどです」
――どのくらいの大きさのプランターがあればできますか?
藤田「横30cm×長さ50〜60cm×深さ30cmくらいの中型のプランターがあればいいと思います。この大きさのプランターで2株くらいの苗が育てられます。あとは、買ってきた土の袋に直接苗をひとつ植えてしまうというお手軽な方法もあります。14リットルくらいの土を買ってきて、袋の上を切って底に小さな穴をいくつか開けて水はけを確保するだけ」
――たしかにお手軽! そうだ、最初にどんな土を買えばいいんでしょうか。
藤田「野菜・花用の『培養土』という土が売っています。この土を買ってくれば野菜でも花でもなんでも植えられます。プランター栽培の場合はこの土をプランターに入れて、苗の根の部分が入るくらいの穴を掘って苗を入れ、上から軽く土をかけて植えます」
――買ってきた苗って、根っこが四角く固まっていると思うんですけど、これはほぐしたほうがいいですか?
藤田「大体の苗は白い新鮮な根が生えているので、ほぐす必要はありません。ポットからカポッと出してそのまま埋めてもらえばOKです」
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