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【失敗しないベランダ菜園】家で育てられる意外な野菜と簡単な虫除けの方法

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日本では2007〜2009年にかけて家庭菜園やベランダ菜園を始める人の数が急激に増えたんだそうです。

一体なぜか?

この時期は団塊の世代の大量退職の時期と重なるのです。たくさんの時間ができると、土をいじりたくなる。これはもう人間の本能なのかもしれません。

そして、現在のコロナショック。家で過ごす時間が増えたことで、またベランダ菜園を始める人が増えています。そこで、ベランダ菜園デビューをした人やしたい人に向けて、家庭菜園のプロ・藤田 智さんに、今からでも間に合う野菜やその植え方をお聞きしていきます。

今回は、家庭菜園で人気の意外な野菜とオーガニックな虫除けテクニックについて伺いました。今からではもう間に合わないと思っていたアナタ! 大丈夫、まだ間に合います。


南国の葉野菜が密かなブーム


――トマトやきゅうりは家で育てている人も多いと思うんですが、何か家で育てられる意外な野菜ってありますか?

藤田「これから暑くなるでしょう? 暑くなるとほうれん草などの葉野菜は栽培できなくなるんです。で、その代わりにある熱帯地方の野菜が育てられるようになったんです。なんだと思います?」

――熱帯の葉野菜……? なんでしょう?

藤田「それが空芯菜なんです。中華料理屋さんに行くと『青菜炒め』というメニューでよく出てくるものです。タイなんかでは田んぼや畑に雑草のようにいっぱい生えてますよ。空芯菜は、サツマイモの仲間で暑さに強いので、今からでも育てられます」

藤田「20cm×60cmのプランターを買ってきて、種を3粒ずつ20cm間隔で撒いて、芽が出てきたらそのうち1株だけを間引きます。これで追肥をしながら育てていくと10月くらいまでずっと収穫できますよ。根を残してカットして食べていけば、秋まで大量に食べられると思います」

最初に買うべき土や追肥の方法はこの記事をチェック>>

 

――空芯菜! たしかに意外な野菜ですね。南国というからパクチーかなと思いました。

藤田「パクチーもいいですね! 今からでも育てられる野菜のひとつです。これも20cm×60cmくらいの小さめのプランターでも育てられます。種を撒いて2カ月くらいでパクチーの葉っぱが育って、2カ月半くらいで白いきれいな花が咲きます」

 

藤田「パクチーは、葉っぱの時点でカットするものと、残しておいて花を咲かせるものに分けておきましょう。花が咲いた後には実がなるので、それをすりつぶすとスパイスのコリアンダーとして使えます。葉っぱは野菜として、実はスパイスとして。2度楽しめるのもパクチーのよいところです。パクチーってアジアの食べ物というイメージがありますが、実はヨーロッパが原産なんです。それがタイなどに渡って利用されてきたという歴史があります。なので、暑さに強いだけじゃなくて実は寒さにも強い。非常に育てやすい野菜です」

――そうなんですね! 知りませんでした。

藤田「あとはモロヘイヤも暑さに強いので今から植えるのにいいですね。横30cm×長さ50〜60cm×深さ30cmくらいの中型のプランターを使ってほしいのですが、そこに3株くらい。追肥をきちんとしていけば育ちます。モロヘイヤは種からつくると少し手間がかかるので苗を買ってきて植えましょう。葉っぱが育ったら折り取って食べられます。10月の半ばごろまでどんどん生えてきますよ。栄養たっぷりでいい野菜です」

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