タレントの小林麻耶さんが、読者の方と「ほっとできる時間」を共有したい、そんな気持ちでお送りする連載です。

これまで自分に似合うメイクやファッションを探していく中で、「髪型も含めた全体のバランス」の大切さに気づいた麻耶さん。外出自粛の期間も重なって美容院にしばらく行けなかったこともあり、せっかくだからヘアチェンジをしたいと考えているのだそうです。

 

そこで、20年間で4万人以上の女性たちのヘアチェンジに立ち会ってきた、ヘアライター&エディターの〝さとゆみ〟こと佐藤友美さんに美容院へ行く前の相談に乗ってもらうことに。著書『女は、髪と、生きていく』(幻冬舎)の中でさとゆみさんはこう述べています。

「髪には『性格』があります。あなたがどんな自分になりたいかを考えて、それを髪で表現することができたら、人生は変わります。」

さて、40代を迎えた麻耶さんはどんな髪型になりたいのでしょうか?

 


髪型が「似合う」と「気に入る」は違う!

今回はオンラインでの対談でした!

小林麻耶さん(以下麻耶さん):髪型といえば、TBSの入社1年目のときに先輩から「顔と名前を一致して覚えてもらうために、いつも髪型を同じにしていたほうがいいよ」ってアドバイスをいただいたんです。それで決めたのが、前髪のあるボブ。本当はプロのヘアメイクさんもいるので、巻いたり、アレンジしたり髪型を色々試してみたかったけど、なるべくストレートのボブで仕事をすることしたんです。「小林麻耶はボブの印象がある」と言われることが多くなり、結果的に名前と顔を覚えてもらえることができました。その先輩にはとても感謝しています。

さとゆみさん:髪型ってその人のアイコンになりますよね。逆に、ショートならこんな雰囲気、ストレートロングならこんな雰囲気……というように髪型自体が持っている性格もあるので、それをうまく使えるともっと髪型は楽しくなりますよ。

麻耶さん:そうですね。ミモレのさとゆみさんの記事もじっくり読ませていただきました!衝撃的だったのが、美容師さんに「お任せでお願いします」と言ってはいけないということ。

美容師に髪型をお任せにしてはいけない理由>>

さとゆみさん:そうなんです。美容師さんって基本的にその人の顔や髪質に合わせて切るんですね。だから、「今は仕事でバリバリやりたい」とか「ちょっと格をあげたい」とか「もっとかわいく見られたい」とか、自分が今何を優先していてどんなステージにいるのか伝えないと、本当は似合っているのに本人が気に入っていない髪型になってしまう。そういう人がすごく多いんですよ。

髪をつくるときは、似合う髪型と好きな髪型のマッチしたちょうど真ん中をとらないと。「似合う」と「気に入る」は別なんです

麻耶さん:それってすごく面白いですね。

さとゆみさん:お洋服でもパーソナルカラーってあるじゃないですか?「茶色が似合います」って言われても、「似合っても好きじゃない」ってありますよね。それと同じで、美容師さんには自分がどうなりたいか自己開示したほうが、髪型への納得度が上がります。

麻耶さん:美容師さんはエスパーじゃない!と、さとゆみさんがおしゃっていたのが印象的でした。何より大事なのは自分がどうなりたいのかっていう自分の心ってことですよね。

さとゆみさん:そう。やっぱり気持ちに合ってないとしっくりこないし、もったいないですよね。心に寄り添っているほうが堂々とできますしね。
 

第一印象は髪型が7割!


麻耶さん:なりたい自分になるために、髪型に連れていってもらいたい、みたいな気持ちもありますよね。

 

さとゆみさん:そうそう。女優さんたちって、役作りするときに髪から入るじゃないですか。髪型の雰囲気によって役作りができるんですよね。だから、それに近いことを一般の人たちにも普段からやったらいいと思っています。

麻耶さん:なるほど〜。髪型って人の印象をどのくらい決めますかね?

さとゆみさん:髪型で7割くらい変わると思いますよ。

麻耶さん:7割も⁉︎

さとゆみさん:だから役者さんは髪で役作りするわけだし、映画とかドラマでも髪型が変わるシーンってキャラが変わるシーンなんですよね。

麻耶さん:たしかに!だからこそ「好きで似合う」髪型が大切。ただ「ショートにしたい!」と言うんじゃなくて、その奥に隠されている自分のテーマや気持ちがもっと大切ってことですね。

さとゆみさん:ショートにしたいときはショートにしたいなりの理由がちゃんとあるはず。「もっとキリッと見せたい」「仕事ができるように見せたい」「大人っぽくなりたい」とか。そこが伝われば、ショートにしてもいいかもしれないし、逆に切らずに今の長さでもその理想を叶えることは可能かもしれません。

麻耶さん:たくさん話すことが大事なんですね、美容師さんと。

さとゆみさん:そうです。「お任せで」って言うのは、病院で症状も言わないで「薬ください」って言うのと同じなんです。麻耶さんは髪型を変えたいんですか?

麻耶さん:そうなんです!というのも、3月の上旬くらいに美容院に行って、そのあと緊急事態宣言が出てしまって……。すっかり伸びきってしまったので、せっかくだからチェンジしたいなぁ、と。

さとゆみさん:その気持ちもすごく大事!コロナウイルスのせいでみなさん大事なことの優先順位や価値観が変わった気がするんですよ。自分がやってみたい髪型も前とは違うと思うんです。麻耶さんはちなみにこれまで美容師さんにはどう伝えていたんですか?

 

麻耶さん:ボブのときはイメージを変えないようにしていたので「いつも通りで」と言っていました。でも一度だけ、髪をばっさり切りたくなって。そのときは「ショートにしたいです!短くしたいです!」って、それだけ伝えました。

さとゆみさん:仕上がりは満足しましたか?

麻耶さん:初めての短さだったのでスッキリして満足でしたが、本当はもっと短くしたかったんです。でも、その長さのほうが自分で髪を扱いやすかったので、結果的に良かったです!ただ、短くしたい衝動は抑えられなくて、ちょっとずつ自分のイメージに合うショートに切っていきました。

さとゆみさん:きっと麻耶さんのお仕事のこととか色々汲んでくださるいい美容師さんだったんですね。そのときも、麻耶さんがショートにしたかった理由がきちんと伝わっていれば一発で理想のスタイルになっていたかも。ところで麻耶さん、髪型を変えたいということですが……。

麻耶さん:そうなんです! ショートにしたい願望が強くて

さとゆみさん:え? 今もまたショートにしたいってこと?

麻耶さん:そうなんです、切りたくて。そんなときに、さとゆみさんのコラムを拝読して「ただ切りたいんです!以上です」じゃダメなんだと知って。もうちょっと自分のイメージを伝えられるようになりたいんです。

 
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