夏至の日が過ぎると、フランスは突然夏になる。日差しが眩しく降り注ぐ朝のパリは、空気がひんやりとしていて気持ちが良い。ベランダの窓を開け放った瞬間に、今日はあれを着て出かけよう、と決めていた。ブルーバード ブルバードのリネンのセットアップは、私のとっておきの夏のお気に入りだ。
ハードリネンと呼ばれる、手に取ると重厚感のあるしっかりとした生地は、カジュアルながらも高級感があり、婦人を引き立ててくれる。麻ならではのシワ感が、ヴィンテージのテキスタイルの様に、クラス感を出してくれるのが良い。
ボリュームのあるトップスと、超マキシ丈のスカートのセットアップは、かなりの存在感があるアイテムだ。良い意味で、箔がついてきたミモレ世代。更には背が低く、コロナ太り(しつこい)の私が爽やかに着こなすには、ちょっとしたコツが要る。髪はきりっと纏め(いつものお団子頭ですが)、顔まわりにはアクセサリーを付けない。三センチヒールのヌーディなミュールを持ってきて、ほんの少しだけ踵を上げる。歩く度に、スカートの裾前方からは足の甲、後方からはアキレス腱と踵がチラリと見える、こんな些細な工夫が、全体のバランスをガラリと変えてくれる、と思う。
随分前にローマで買ったミュール。リボンの付いた可愛らしいデザインながらも、大人っぽくシュッとした佇まいが好き。ヒールは僅か三センチだが、この高さが絶妙なバランスを叶えてくれる。
単品でも手持ちのアイテムとミックスして、何通りにも楽しめるのがセットアップの良いところ。ワンピースやコンビネゾンに飽きてきた頃に、取り入れてみては如何でしょうか。
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