新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、テレワーク(リモートワーク)の普及が急速な勢いで広がりつつあります。内閣府が全国1万人あまりの男女を対象に実施した調査によれば「テレワークを経験した」人が全国で34.6%、東京23区では55.5%にのぼったそうです。この記事を読んでいる人の中にも、コロナ禍を機にテレワークを経験した方が少なくないのではないでしょうか。

 

私が共同経営するWaris(ワリス)ではフリーランス女性と企業との仕事のマッチング事業を展開していますが、実はフリーランスはコロナ前からテレワークで働いている人が会社員に比べて多くいます。

私たちが新型コロナウイルスの感染拡大が進む前の今年1月に実施した調査では、ご登録のフリーランスのうち「クライアント先に常駐」と回答した人は24.8%で、75%以上のフリーランスは業務の一部または全部をリモートワークで行っています。

 

ただ、私たちがマッチングしているフリーランスの仕事は広報・営業・マーケティング・人事・経理財務など、クリエイターではないいわゆる「普通の会社員」の方が担当する業務です。そうした業務で、リモート中心でフリーランスがどう働くのか? イメージがわかない方も多いかと思いますが、具体的な内容を知ることで、これからの働き方の可能性が広がるかもしれません。

今回は、コロナ禍でもリモート中心で活躍している女性フリーランスの話から浮かび上がった、彼女たちが「円滑なリモート業務のためにやっていること」をお伝えします。

1.クライアントにあわせた連絡ツール選び
一つめは「クライアントのニーズにあわせた連絡ツール選び」です。リモート中心で仕事をしているからこそ、クライアントとの信頼関係の構築や円滑な業務の進捗のためには日々のきめこまやかなコミュニケーションが欠かせません。

「各クライアントとの連絡手段はメール、電話、LINE、Zoom、MicrosoftのTeamsなど多様です。基本のコミュニケーションはチャットですが、各クライアントさんや担当の方によって好まれるツールは異なるので、それは最初に確認するようにしています」と話すのは広報系フリーランスのAさんです。とある法人で給与計算や社会保険の加入手続きなど労務業務を担当している人事系フリーランスのBさんも「長めの要件はメール、短めの要件はチャットと使い分けています。電話は相手の業務をさまたげてしまうので、なるべくしません」と語ります。


2.進捗の「見える化」
このコロナ禍でフリーランス側はもちろん、依頼する社員側も在宅勤務をしているケースが数多くあります。このため進捗の確認や共有には、オンラインの定例会議を設けるケースが一般的です。毎週30分~1時間程度、発注側企業の担当者とオンラインで話しながら状況共有をするのです。なかにはほぼ毎日30分程度のオンライン定例会議を行っているケースもありました。法務系フリーランスのCさんは毎週30分クライアント企業とオンライン会議を行うほか、Googleスプレッドシートを使ってクライアント企業の担当者と進捗状況の共有をしていると言います。

「教育系のベンチャー企業で契約書や規約の作成・チェックなどの業務を請け負っています。シートには業務内容、社内のどなたから依頼されたか、業務にかかった時間、立替経費の有無や金額を明示しています。社内のさまざまな方から依頼を受けるので、そういった依頼内容と対応状況をしっかり見えるようにしておくことが大事なのです」(Cさん)。

 
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