7月1日から全国の小売店において、プラスチック製レジ袋の有料化が義務付けられました。環境問題を考えた場合、必要な措置であると評価する声が上がる一方、実質的には意味がないとの指摘もあるようです。レジ袋の有料化は環境問題にどれほどの効果があるのでしょうか。
これまでスーパーやコンビニなど小売店では、無料でレジ袋を提供してきました。多くの家庭において、ゴミ袋として再利用したり、犬の散歩などに使っていたのではないでしょうか。しかし、プラスチックごみ削減の動きが全世界的に広がってきたことから、政府は小売店に対してレジ袋の有料化を義務付けることになりました。
小泉進次郎環境大臣は、今回の有料化について「レジ袋を辞退することが当たり前になる社会に変革していきたい」と述べ、プラスチックごみの削減を積極的に進めていく方針を示しました。
7月1日以降、小売店でレジ袋を受け取る際には、大きさにもよりますが2~5円程度のお金を支払う必要があります。金額的にはそれほど大きなものではありませんが、毎日のことですから、レジ袋を受け取り続けた場合、長期的には結構な金額負担ということになるでしょう。
もっとも、この話の本質は環境問題ですから、お金を払えばそれで解決というワケにもいきませんが、困ったことに、一部の専門家からは、環境問題の解決策として意味がないとの指摘も出ているようです。
レジ袋をなくせば、その分だけプラスチックごみを減らすことができますが、海洋プラスチックごみのうちレジ袋が占める割合はわずか0.3%しかなく、ペットボトル(12.7%)などと比較するとゼロに近いというのが実状です(容積ベース、環境省調べ)。本当にプラスチックごみをなくすことを目的にするのであれば、ペットボトルへの対策が必須となりますが、そうした動きにはなっていません。
また、レジ袋は環境負荷が小さいという特徴もあります。
レジ袋はポリエチレンから出来ていますが、ポリエチレンは石油精製時に必ず発生する副産物なので、レジ袋を使わなくても産出されてしまいます。もともと捨てるはずだったものですから、石油由来の素材を使ったマイバッグなどを使ってしまうと逆に石油の消費が増える可能性もあるわけです。
日本は国際社会の流れに追随するため、今回のレジ袋有料化を決定したわけですが、国際社会はなぜプラスチックごみを問題視しているのでしょうか。その背景となっているのは、脱石油社会へのシフトという大きな流れです。
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