7月13日、『二階堂幸短編集 ありがとうって言って』が発売されました。
二階堂幸先生はTwitterで大人気の漫画家さんで、新作が投稿されるたび、「尊い」というリプライの嵐を巻き起こしています。

 
 

こちらが短編集の表紙ですが、この表紙からも伝わる、圧倒的な画力で描かれる美麗な絵も魅力のひとつ。二階堂先生の絵の魅力はたとえば、女の子の髪質も肌質も吐息も伝わってくるような、そんな魅力です。

大好きな先生に全身で恋を伝える少女のお話『先生が好き』、初めての彼女と過ごす幸せな時を描く『恋のスイングバイ』、といった物語が収録されている本作。
彼女が振り返るときの髪は毛先までも美しく、恋するヒロインの目はこちらをじっと見つめてくる。その質感が伝わってくる描写を通して、なにかを愛してしまうときの自分に気付かされます。

毛先や瞳に君が生きている様を感じ、そんな君が悩んでるから、笑ってるから、尊くてたまらないんだよなって思ってしまう。仕草ひとつ、言葉ひとつをこんなに愛してしまっている。
二階堂先生が描く漫画には、そんな毎日の、ふと息をのむような「愛おしい」という瞬間を感じるのです。

 

そして、そのシーンひとつひとつはとても鮮やか。
寒い色がみえるし、雨の匂いがするし、手のあたたかさも感じる。ページを繰るたび、その感覚が伝わってきます。
そう、誰かに、なにかに愛おしさを感じた瞬間の鮮やかさってこんな感じでした。


そして、二階堂先生といえば可愛らしい動物たちも外せません。
もう、モフモフのモッフモフ。丁寧に描かれた、可愛くて癒される動物たちが頻繁に登場します。

こちらが二階堂先生が描くたぬき。

なかでも“たぬき”は二階堂先生の代名詞とも言える存在。
Twitter(@nikaidooooooooo)では「たぬきとクールなお姉さんとの生活を描く漫画」が連載されており、たぬきのGIFアニメーションも楽しむことができます。

ミモレでは、そんな“たぬき”が登場する短編を特別公開!
モフモフで、とっても可愛い物語です。ぜひ読んでみてください!

▼横にスワイプしてください▼

 

『二階堂幸短編集 ありがとうって言って』

著:二階堂 幸 講談社

人生で初めてできた彼女、大好きだった学校の先生、憧れ続けた友達のお母さん、なにかと気になる会社の同僚。誰かを愛し始めた私たちは、こんなにも強くうつくしくあざやかに生きられる。見覚えのある景色を希望に変えて、Twitterで反響続出の二階堂幸が描く珠玉の短編オムニバス。

文/熊木彩乃