めまいを引き起こす病気はいろいろある

 

めまいで悩む方はたくさんいらっしゃいます。例えば、あの有名な画家であるゴッホも、めまいを起こす病気の一つ、メニエール病だったのではないかと言われています。

メニエール病は、目の回るようなめまいの他に、耳鳴りも起こる厄介な病気です。一説によるとこれらの症状が原因でゴッホは精神を病んでいたのではないかというのです。また同じ理由で、ゴッホは晩年に耳たぶをカミソリで切り落としたり、渦を巻くような絵を描いたりしていたのではないかとも言われています。

ゴッホが本当にメニエール病だったのかは定かではありませんが、めまいがそれほど生活に影響を及ぼす苦痛となりうることに疑いの余地はありません。

回転性、浮動性…、めまいの分類


古典的には、めまいはその性状をもとに、「回転性めまい」、「浮動性めまい」のように分類されてきました。しかし、実際には人によって症状の表現が変わりやすく診断に結びつきにくいこと、それよりも正確な診断方法が分かってきたことから、今ではこのような分類を気にすることはあまり多くなくなりました。

なお、この「回転性めまい」というのは、「目が回るような」「天井がぐるぐる回るような」と表現されるもので、「浮動性」というのは「揺れているような」「身体がふわふわと浮いているような」と表現されるめまいです。めまいに馴染みのない方には、前者はコーヒーカップに乗った後の感覚、後者は車酔いや船酔いの感覚を想像していただくとわかりやすいかもしれません。また、これらの症状に加えて、吐き気や嘔吐といった症状を伴うこともあります。

似て非なる症状に、「失神」という症状があり、これは一時的に気を失ってしまった状態のことを指します。気を失いかけた状態、気が遠くなってなんとか持ち堪えたような状態は「前失神」と呼ばれ、これも「失神」と同様に扱いますが、このような症状が「めまい」と表現されることもあります。