150㎡の広さの自宅を思い切って売却し、65㎡のコンパクトな賃貸に「暮らしを小さく」した、料理研究家の藤野嘉子さん。
新刊『60過ぎたらコンパクトに暮らす』では、プロの目で厳選したキッチン用品が紹介されています。

キッチンのスペースが小さくなったのに伴い、調理道具も減らしたという藤野さん。それでも手元に残った、少数精鋭、本当に使い勝手のよいアイテムを伺いました。

 


① 2枚の小さな木のまな板


暮らし全体を小さくしたときに、家にある調理道具も料理教室の生徒さんや知り合いに譲ったりして、ずいぶんと処分しました。
スペースや道具を減らすことで一番心配だったのがキッチン(とキッチン用品)でした。ところがいざ減らしてみると工夫や気づきが生まれるものです。

まな板は、以前は大きなものを数枚使っていたのですが、現在は小さなものを2枚だけにしています。家族の人数が減り、食事の量も減っていますから、小さなものでも十分間に合うのです。小さなほうが場所をとりませんし、小回りがききます。

今使っているのは、木のまな板。私はよく都内にある都道府県のアンテナショップに足を運ぶのですが、このまな板もそこで見つけました。ひのきやいちょうのいいものが比較的、手頃な値段で見つかります。

「自宅の広さを半分に…」料理家が手元に残した”本当に頼れる”調理道具4選_img1
 

木のまな板のいいところは、柔らかくて手に優しいところです。硬いプラスチックのまな板でキャベツのせん切りなどをやっていると手首が痛くなることがあるのですが、これならそういうことはありません。切る順番は、葉ものなど柔らかい野菜から、根菜などアクのある野菜、にんにくなど匂いのきついもの、魚や肉などです。
木のまな板は、かびやすいのでしっかり洗って乾かす必要がありますが、慣れればそれほど大変ではありません。

ちなみにまな板とあわせて使っているのが小さなふきんです。私はまな板用のふきんを用意して、何かを切り終えるたびにサッと拭いています。
切るたびにまな板を水で洗うのは不便ですし、洗うと、まな板の上が水っぽくなりますが、ふきんを使えば、そういうことはありません。少しの汚れもすぐに拭いてきれいにできますから、とても気持ちよく料理ができます。

ふきんもまな板と一緒に料理が終わったら食器用洗剤で洗って、ぎゅっと絞って干しておけば翌日には乾きます。まな板専用のふきんを使う人は意外と少ないのですが、私はおすすめです。

 
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