仕事の「人任せにできない」をスルー!
なんでもやってあげることが親切じゃない

 

次に紹介するのは、ラインヴァルトさんが遭遇した仕事でのもやもやエピソード。
広告代理店に勤務していたラインヴァルトさんは、職場で自分のあることに気づいたそう。それは、“インターンに仕事を任せていない”ということでした。理由は、「みんないい子で感じがいいので、仕事を頼むのが申し訳なくなっちゃうから」というもの。「わかる、わかります!」と心の中で共感した人もいらっしゃるかもしれません。

 

「最初のうちは、自分でも全然自覚がなかった。でも、あるときコピーをとっていたら、近くにいた別のインターンの子たちが『え……?』って顔でこっちを見ていて、それで気づいた。わたしは自分の直属アシスタントであるインターンのレナにコピーを頼むかわりに、自分で雑用を片づけてたのだ。レナに手間を取らせるのは悪いなって思って。レナ本人は、ネットサーフィンとかしてるのに」

このままではいけないと自己分析してみた結果、ラインヴァルトさんはインターンのレナさんにこんな行動をとっていることに気づいたそうです。

・レナの作った資料の修正を本人にやらせず、わたしが「自分でささっと」手直ししてた
・まだ仕事が残っていてもレナは定時で帰らせて、残りの作業はわたしが一人で片づけた
・毎日、終業時にレナのデスクを軽く整頓してあげてた
・お昼にレナのランチもついでに買ってきてあげた

ラインヴァルトさんに限らず、上司や先輩が、新人や後輩にやってしまいがちな“あるある”ですよね。自分でやる方が早い、頼むのが申し訳ない、などなど、理由はどうあれ「人任せにできない」状況が続けば、自分の仕事は山積する一方です。

インターンにどう接したらいいか悩んだラインヴァルトさんでしたが、一緒に暮らすパートナーと幼い息子から、大切なことに気づかされたのだとか。

ある日、一人で靴下を脱ぎだした息子に驚くラインヴァルトさん。今までは息子一人ではできないと思い込み、間髪入れずに手伝っていた“靴下脱ぎ”でしたが、実はパートナーと息子は忙しいラインヴァルトさんの負担を減らそうと、見えないところで練習を重ねていたのでした。

「パートナーはわたしと違って、たっぷり時間をとって、息子にいろんなことを自力でやらせたのだ。次の日の仕事中も、わたしはずっとそのことを考えていた。レナはたしかに、うちの息子よりはだいぶ大人だし、言葉だってちゃんとしてる。けど……試しにやってみるか。わたしは心の中でこっそり彼女を子供だと思うことにした。で、お母さん的な親切心で、申し訳ないなんて思うことなく、やるべき仕事を用意してあげるのだ。資料は自分で修正させて、コピーやランチの買い出しもお願いした。うん、まるで理想の上司みたい。心の中でこっそり部下を子供扱いしてることを除けば、だけど」

こうして“他人任せにできない自分”をスルーしたラインヴァルトさん。チェックリスト【あなたは職場で、こんなことにつまずいてない?】の項目は、ラインヴァルトさんが実際にスルーした、自分を苦しめるだけの職場の“要注意ポイント”です。みなさんは、「はい」にいくつチェックがつきましたか? ちなみに筆者は……全部でした!