ライターさかいもゆるがアラフォー以上で結婚したカップルへのインタビューを通じて、結婚とは、夫婦とは何かを考える連載です。今回は、42歳で電撃再婚を果たした紗栄子さんへのインタビューです。

雑誌でひとめぼれした憧れの人と結婚したけれど、バツイチになった私が再婚するまで_img0
紗栄子さん42歳、明彦さん40歳。バツイチの紗栄子さんは最初の夫の浮気癖に悩まされ、ストレス障害で会社を辞めてある施術の資格を取得。離婚後、自分の恋愛がうまくいかない理由がその施術でわかった途端、現在の理想の夫に出会い、42歳で電撃再婚を果たす。

今回取材した紗栄子さんは、去年42歳で結婚したばかりの新婚ホヤホヤ。

結婚式のお写真を見せてもらったら、1歳年下の旦那様は優しそうなイケメンかつ大手企業にお勤めの高収入で、結婚後すぐに都内の高級住宅地に素敵なマンション(取材後ある事情からご自宅に伺ったのですが「ここに住みたい!」と興奮したほど)を購入し……と、晩婚の憧れを絵に描いたような結婚を果たしているのですが、実は彼女はバツイチ。最初の結婚では浮気性の夫に苦労し精神的にボロボロになってアラフォーで離婚した、という過去があるのです。

 

紗栄子さん:私はあるスポーツを本格的にやっていたのですが、最初の夫、Aさんはそのスポーツの第一人者。専門誌で彼が取材されている記事を見てひとめぼれして、「この人だ!」と思っていたら、知り合いに偶然紹介されて、付き合うことになりました。

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キャサリン妃がウィリアム王子の写真を少女時代から寝室に貼っていて結婚まで漕ぎ着けたという話があるけれど、紗栄子さんもキャサリン妃くらいに〝引きが強い〟女性だということでしょうか。雑誌で見てひとめぼれした相手と実際出会えて付き合えるって、すごいですよね。

さかい:そんな夢のようなことってあるんですね!
 

紗栄子さんはその当時、そのあるスポーツにハマって、週末は朝から晩まで練習に明け暮れる生活。女子チームだったので当然出会いはゼロ。だったのですが、初めてチームで参加した試合でボロボロに負けたのが悔しくて、Aさんにコーチをお願いすることに。それがきっかけとなってふたりは交際することになったのです。

Aさんとは2年交際したのちに結婚。

紗栄子さん:同じチームのコーチと選手で恋人であり親友。そんな関係だったので、憧れと尊敬の気持ちがありました。彼はお金は全然なかったけど、スポーツに対する一生懸命なところが好きだった。20代特有の燃え上がるような恋で、脳内はお花畑。その勢いに任せて結婚してしまった感じですね。
 

ところが結婚してすぐに、彼がものすごい浮気性だということが発覚します。

さかい:結婚前にその兆候ってなかったんですか?

紗栄子さん:付き合ってすぐに、私が性病になったことがあったんです。彼から感染した以外考えられないんだけど、そのときかかった病院で子宮内膜症がわかってそっちに気が取られてしまったから、「怪しい」とは思ったのにスルーしてしまった。

さかい:どうやって浮気に気づいたんですか?

紗栄子さん:結婚1年目くらいして「なんかおかしいな」と思って携帯を見たら、知らない女性から「私たちの相性占ってもらったらすごくよかったの♡ 早く結婚したいな」ってメールが来てたんです。

怒り狂った紗栄子さんは夫にその相手に電話をかけさせてその場で別れさせたのですが、浮気はそこで終わらなかったのです。

紗栄子さん:彼はイケメンで体格もいいし優しいから、お金がなくても向こうが出してくれるくらいモテるんです。年に1、2回は浮気をみつけたけど、実際はそれ以上にもっとあったはず。

さかい:年に1、2回って……。


浮気されるのって、1回ですらキツいのに。なぜ紗栄子さんは夫の浮気を許し続けたのでしょう。

仲良しの両親の間で育ち、中学から大学まで女子校育ちだった紗栄子さんは男性の生態を知らず、世の中に浮気をする男性が居るという概念すらなかったそう。

紗栄子さん:父は真面目で嘘つくのが大嫌い。浮気なんてありえないという堅物だったので、浮気をする男性が居るなんて信じられなかったんです。だから最初のうちは「気のせいだ」と流そうとしてました。


もうひとつは、彼女がカソリックの学校出身だったことも大きかった。「自分を犠牲にしてでも赦すことが愛」という教えで育ったために、夫が浮気しても許さないといけない、「夫婦は生涯添い遂げるもの」、という考えに縛られていたのです。

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部屋にコンドームが落ちていたり、浮気相手へのメールを夫が誤送信してきたり。そんな明白な証拠があっても、「いつか直してくれる」と耐え続け、いつしか、彼にとっていつでも安心して戻って来られる、母親のような存在に。

そんなAさんが浮気に走るのは、幼い頃の成育環境が影響していました。

父親がAさんの家庭教師と不倫し、ふたりの文通の手紙の受け渡し役をさせられたり、夏休みには父親と家庭教師との不倫旅行に連れて行かれたり。その後中学1年生のときに不倫相手と再婚した父親に引き取られたAさんは、実の母親の愛情を充分に感じられない環境で育ったために、紗栄子さんに母親の愛を求めていたのです。

紗栄子さん:そんなバックグラウンドもあるため、浮気をみつけて怒っても、ちっちゃな子供みたいにしょんぼりして「ごめんなさい」と謝る彼を見ていると、許してしまっていたんです。


なんと10年間も夫の度重なる浮気に耐え続けた紗栄子さんですが、ある日夫が痴漢で捕まるという事件が起きて、堪忍袋の尾が切れるのです。

夫が痴漢で捕まるって、前回のみちるさんと一緒のやつじゃん……。そんなによくあることではないはずなのにこの連載で続くって、すごくないですか。

そんなわけで、気になるお話の続きは、次回に。
 

イラスト/いとうひでみ
構成/川端里恵(編集部)

 

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