【質問4】「末端冷え性」の改善方法を教えてください。
改善方法は一律皆同じではありません。まずは原因を探ることが大切であり、原因となる病気があれば、その病気の治療こそが根本的な改善方法ということになります。
例えば、鉄欠乏性貧血と呼ばれる、鉄が不足して生じる貧血をお持ちのAさんが末端冷え性でお困りだとしましょう。Aさんの場合には、鉄のサプリメントによって貧血の改善が見込めますので、鉄のサプリメントが冷え性の改善方法ということになります。
しかし、「Aさんの冷え性に鉄のサプリが効いたから試してみて」と、同じ末端冷え性をお持ちのBさんにも安易に勧めて良いでしょうか。これは、同じ鉄欠乏性貧血が原因であれば正しいかもしれませんが、原因が異なれば間違いです。
例えば、Bさんの原因は、甲状腺機能低下症と呼ばれる病気であったとします。そうすると、Bさんの冷え性には鉄のサプリメントは残念ながら全くもって無効です。Bさんは、鉄ではなく、甲状腺ホルモンを補充する必要があるのです。
このように、まずは原因を丁寧に評価するのが大切です。原因を追求せずに症状の改善を求めるのは近道のようで、遠回りになってしまうことがあります。また、自分に有効だった方法を無責任に他人に勧めてしまうことは、誤りのもとにもなりえます。
ただ、原因となる病気が特に見つからないという場合もあるはずです。その場合には、以下のようなことが有効かもしれません。
例えば、定期的な運動で筋肉量を増やすことや、バランスの良い食生活で体重を適正に維持することです。これらは、ありきたりかもしれませんが、広く多くの人に有効だと考えられます。また、寒い冬には、体をしっかりとあたたかくしておくことも大切です。
加えて、単一の食品をお勧めするのは憚られますが、ショウガなどは体を温めるのに有効な食品の一つだと考えられています。これは、生姜を加熱して得られる「ショウガオール」という成分に秘密があるのでは、と研究が進められています。
【質問5】寝る時の湯たんぽは有効ですか?
体はあたためると循環が良くなりますので、湯たんぽのようなもので体をあたためるのは、冷え性に限らず、筋肉のコリや慢性疼痛などにも有効な方法と考えられます。ただし、これは湯たんぽが特別良いということを支持するものではなく、温湿布、毛布や掛け布団を一枚多く使うというような方法でも良いと思います。
また、湯たんぽのような少し高めの温度のものを長時間使用する場合には、「低温やけど」に注意しなければなりません。低温やけどは体温より高い温度を持つものに長時間触れることで、痒みや痛み、皮膚に障害を及ぼしてしまうこともある合併症です。
このため、湯たんぽは寝る前に寝具を温めるために利用して、寝るときには布団から出しておいた方が安全です。あるいは、掛け布団をもう1枚多めに使用するなど、寝ている間は別の方法を用いるのをお勧めします。
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