【質問6】冷え性に効くサプリはありますか？
あるともないとも断定できません。ただし少なくとも一つ言えることは、冷え性に有効であると科学的に十分に証明されたサプリメントは存在しないということです。
そうであるにもかかわらず、「冷え性に効く」と謳っているサプリメントには、科学的に言えばどこかにインチキが隠されています。多くの場合には、それは少数の人の経験論に基づく「効く」ではないかと思います。
そもそも薬やサプリメントには、「プレセボ効果」と呼ばれる影響が必ず存在します。これは薬の有効成分にかかわらず、「薬を飲んでいる」という事実や心理的影響で、体調が改善するというものです。
このため、薬やサプリメントの真の有効性を証明するためには、薬やサプリメントと「偽薬」とを比較した臨床試験が必要とされますが、少なくとも今のところ、このような試験で有効性が証明されたサプリメントは存在しません。
それでも、「効く」と謳われてサプリメントが販売されるのは、冷えのようなよくある症状が、商売につながりやすいからだと考えられます。
これらの事実は、サプリメントを使用して効果を実感されている方の気持ちを否定するものではありません。ですが、これから使用を考えている方は、あえてそこにお金を使う理由もないのではと思います。
【質問7】そもそも平常時の体温が、35度台です。何か問題はありますか？
まず初めにお断りをしておきたいのは、冷え性と平常時の体温の間に関連性は知られていないということです。むしろ普段の体温が低い方が、外気の寒さを感じにくいかもしれません。このため、体温と冷え性とは少し切り離して考えていただく必要があります。
人の体温、いわゆる「平熱」は人によって様々であることがわかっています。体温の平均は35.3度から37.7度までバラツキがあり、99%の人がこの間のどこかにおさまることが報告されています（参考２）。実際に、我々医師が低体温として対応するのは、35度を下回る時です。
つまり、平熱が普段からこの程度の範囲で変動し、特に他に症状がないのであれば、平熱が35度台でも全く問題はないと言えます。
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