〔ミモレ編集室〕のchieです。
ミモレでもよく目にする、著名人や俳優方のインタビュー記事。
各分野の第一線で活躍される方々の「生の声」や「人生観」を知ることができる、私もとても好きな記事のひとつです。
今回はそんなインタビューの極意について、ミモレの連載「世の常識に、ひざカックン」でもお馴染みの人気ライター渥美志保さんに講義をしていただきました。
ご自身の記事と同様、ポンポンとテンポよく次から次へと繰り広げられる、メモ必須の濃いお話の数々に〔ミモレ編集室〕メンバーも圧倒されっぱなし……!
そんな、第7回編集・ライティング講座「ストーリーを引き出すインタビュー術」の様子をレポートします。
ジャンルの枠を超えたマルチプレイヤーの仕事術
元はTVドラマの脚本家だった渥美さん。よく映画を観ることから映画ライターの道へと進み、そうして監督や俳優にインタビューをすることがお仕事になっていったそう。
ただ、映画というジャンルにとらわれないのが渥美さん流。
例えば、ミュージシャンの方に「本」の話を聞くという企画の場合、音楽ライターさんだと本に詳しなかったり、書評家さんだと音楽に詳しくなかったり……という可能性が。そのようなジャンルの枠を超えたインタビューは難易度も高く、誰にでもできるものではないのだとか。
そんな「誰にインタビュアー(聞き手)を任せよう?」と悩むような案件も、「渥美さんなら何とかなるんじゃない??」と頼りにされる存在なのだそう。まさにジャンルを超えたマルチプレイヤー。
もともと、インタビュイー(話し手)の人となりや、どういう経歴か……などの事前情報を調べたり、知らない分野の勉強をしたりするのが好きで苦にならない。そして、人としゃべるのが好き!という渥美さん。
どんなお仕事もまずは「やります!」と引き受け、それから必死に猛勉強して、数々の実績を作ってきたのだとか。
前回の講座ではライターのさとゆみ(佐藤友美)さんにお話を伺いましたが、ここはお二人に共通している点だなと思いました。
人気ライターの方々は、こうして自ら仕事の幅を広げられているのですね。
ずばり、「良いインタビュー」とは?
脚本家からのスタートということもあってか
「インタビューとは、物語風になっているのが一番面白いと思う」
と語る渥美さん。
その理由は、インタビューはただの「情報」ではないから。
・その人からどんな「その人っぽさ」がでているのか
・インタビューの「ライブ感」を表現すること
が大切とのこと。
――その人の「人柄」が出るのが一番。
確かに、自分がインタビュー記事を読んでいて面白いと感じる瞬間はそういうところだよな、ととても納得しました。
逆に、悪いインタビューとは
「何が聞きたかったか伝わらないもの(面白くないもの)」。
映画などでも、結局何が言いたかったのかよく分からないものは面白くないと感じるのと同じですね。
だからこそ
自分が「何を聞きたいか」を前もって整理しておくことが大事。
そしてそのための、事前準備の大切さへとお話は移ります。
インタビューには、何を置いても
愛をもって(その人に興味をもって)
ネットの情報や過去のインタビュー記事、ニュース記事、関連作品などの「あらゆる方面」から「徹底的に」情報収集をしておくことが大切。
たとえインタビューの時嫌な奴だったとしても、愛をもって記事にし、読んでもらう方々にその人を好きになってもらう……。
「相手を想うハート」。これこそが、プロのインタビュアーに必要なことなんですね。
今回、渥美さんから特別に(オフレコで)とても貴重なものを見せていただきました。
それは
某有名女優さんに対して実際にインタビューに臨んだ際の「取材前メモ(事前情報の書き込み・当日の質問メモ)」。
そこには、女優さんの経歴や出演作品、過去のインタビュー記事などを調べて気づいたポイントや、印象的だった言葉のメモがぎっしり!
なかには
◆これまでの映画撮影で長期滞在した、国内外の地域のリストアップ
(⇒生活に何らかの影響を与えたのでは?という観点から。)
◆結婚・離婚のタイミングと、大学・大学院で学んだ時期のメモ
(⇒人生のイベント、ターニングポイントを挙げる。それらの関連性について想像することで、質問のヒントになることも……)
など、「こんなものまで!」と驚くほど様々な角度の情報が書き残されていて、とても愛と熱量を感じるものでした。
こんなリアルなところも見せていただけるなんて感激……!
これも、会員制の〔ミモレ編集室〕ならではの醍醐味ですね。
相手に嫌われてもいい。決して「飲まれない」こと!
インタビューで一番大事なのは、「強いハート」。
そう言い切る渥美さん。
・相手に嫌われないかな
・全然話が弾まない
などの、初心者がインタビューするとなると不安になるあれこれについても解説いただきました。
これらの不安を全部
「大丈夫!」
と断言し、具体的なアンサーとともに背中を押してくださる渥美さん。
「相手に嫌われないかな」という不安に対しても
「嫌われません!」
とキッパリ。
(そのあまりの小気味よさに、参加者一同爆笑したという場面でした。)
「嫌われてもいいの!どうってことない。よっぽど嫌なことをしない限りは翌日には忘れちゃうから。大丈夫」
という渥美さん節に、なんだかとっても元気になれました。
なかでも、私の心に刺さった言葉が
「相手に飲まれないこと」
「相手に飲まれたら、何も聞けなくなる。」
というもの。
インタビュイー(話し手)も
「こいつ、飲まれているな」と感じた相手には、深い話をしないもの。
「こいつだめだな」と思った瞬間、通り一遍な話しかしなくなるものだそう。
あくまでも、インタビュアー(利き手)とインタビュイー(話し手)は上でも下でもない。
「対等」であることが大事という言葉が印象的でした。
いかがでしたか?
私にとっては、インタビュー術がテーマの内容でありながらも
「――これってもしかして、普段の仕事にも言えることなのでは?」
と感じるポイントがたくさんありました。
相手に心を開いてもらい、円滑なコミュニケーションをするため・その人らしさを引き出すための「相手を想うハート」。
そして
相手に飲まれることなく、自分の意見や要望を伝えるため・互いにとって有益で対等な関係を築くための
「強いハート」。
このふたつの「ハート」は、インタビューだけではなく普段の仕事や人間関係にも活かせる大切なものだと感じた講義でした。
〔ミモレ編集室〕の「編集・ライティング講座」は、私の大好きな月に一度のお楽しみ時間。
この時間だけは必ず、子供を旦那に任せてひとり時間を確保しています。
(リアルタイムの視聴が難しい場合も、後日アーカイブで視聴可能ですのでご安心を……!)
※ちなみに以前の記事にも書きましたが、こんなに質の高いライティング講座が月額の会員費だけで受講できるのは稀なことだと自信をもって言えます(有料のライティング講座は通常数万~数十万ほど)!
最近、自分の興味あることに没頭できる時間を作れていますか?
ぜひ〔ミモレ編集室〕で、私たちと一緒に楽しい時間を過ごしましょう!
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chieさん
チョコミントと京都とファッション(洋服も和服も)が好きな40代。ファッション系企業で広報とマーケティングの仕事をしています。 5歳の娘がいる保育園ママで、基本スタイルはマキシorタイトスカート+スニーカー(そしてママチャリで爆走!)毎日メガネなのでメガネのお洒落を研究中です!