電車内で心肺停止で倒れて救急搬送された医療ライターの私。ここまでの失神してからのエピソードは、私の記憶によるものではありません。失った意識が戻ってから、駅員さん、医師や家族、友人に教えてもらったことです。

なんとか一命は取り留めたものの、脳ダメージよる「高次脳機能障害」と診断を受けリハビリ病院へ転院。疾患や障害などによって低下した機能を回復する肉体のトレーニンがリハビリだと思っていましたが、自分らしく生きていくための医学だったのです。

 

第1回「山手線内で心肺停止!即死を免れた医療ライターが2週間前から感じた予兆とは?」>>

第2回「電車内で心肺停止…脳の機能障害になった女性医療ライターの入院&治療ルポ」>>


リハビリ病院の生活はこんな感じ


イヤイヤ転院した感が強かったリハビリ病院ですが、到着したそばから丁寧に迎えられ「ここは、天国かもしれない」と直感! 優しくされることなんて普段ないので(笑)。

転院したのは30年の歴史があるリハビリ病院。リハビリ病院といえば「温泉場」という時代に、都内に開院したパイオニア的存在。ホテルを手掛けていた建築家による設計で、院内はレトロモダンな雰囲気。スカイツリーに富士山も見えるロケーションで、何より365日リハビリ訓練を実施しているのは、1日も早く退院したい私には大きなメリットでした。

 

主治医のリハビリテーション科医が、身体機能、脳機能、暮らしぶりを評価し、私のゴールを復職に定め、理学療法士、作業療法士、臨床心理士がチームになりリハビリ計画が立てられました。
言語、音声、嚥下障害に対して障害がある場合は言語聴覚士が加わります。

リハビリ病院の1日をざっと紹介しましょう。

6:30 起床
顔を洗って、身だしなみを整えて、寝間着から着替えます(実際は着替えない人がほとんど)。

7:30 食堂で同じフロアの患者さんたちと一緒に朝食
腕や手に麻痺がある人など、各自の機能障害に合わせて、箸やスプーンやフォークを使って食べるのもリハビリ訓練。

9:00 各自のスケジュールに従ってリハビリへ
車椅子や杖をついている人はスタッフがエレベーターで送迎をサポートしてくれます。
私の場合、忙しい日は9:00~作業療法、10:00~理学療法、14:00~心理療法、15:00~入浴。入院患者さんは誰しも1日も早く退院したい思いが強いので、空き時間でもベッドから出て、院内をグルグル歩いたり、廊下でストレッチなど、回復に意欲的でした。

18:00 最大の楽しみの夕食
管理栄養士がバランスを考える、主食・主菜・副菜・汁物・乳製品、さらに果物がそろった献立。カロリーも塩分も控えめ。さらに牛乳が苦手ならヨーグルト、白飯のかわりにお粥にしてなど、好き嫌いやアレルギー、咀嚼力など細かく考慮されていました。
おかげで私は2ヵ月の入院生活でマイナス4キロ。退院後にみるみるリバウンドしましたが(苦笑)。さらに、誕生日、おせち、七草粥など、心遣いがありました。食事の楽しみが人間にとってかけがいのないものだと改めて感じました。