昨年11月、新橋から浜松町に向かう山手線内で意識を失い、心肺停止状態で救急搬送された私。名前も顔も知らない乗客の方、駅員さん、救急隊のみなさんの迅速な対応のお蔭で生きのび、苦悩と感動のリハビリを経て、恥ずかしながら社会復帰しました。
奇跡的に後遺症もほとんどありません。今回は、その後の話です。

 

・第1回「山手線内で心肺停止!即死を免れた医療ライターが2週間前から感じた予兆とは?」>>

・第2回「電車内で心肺停止…脳の機能障害になった女性医療ライターの入院&治療ルポ」>>

・第3回「心肺停止、脳障害から蘇った医療ライター「倒れた後の入院&治療のリアル」」>>


改めて、「シャバ」の空気はうまい!


入院中にはずっと「シャバ、シャバ」と口癖のようにつぶやき、2回の脱走に失敗。常に「外出させろ、外泊させろ」とごねていました。
しかしリハビリ病院では誰もが優しく親切で、かなり居心地が良くなっていました。それでも、家で留守番をしてくれている猫達のことが常に気にかかり、一刻も早く退院したかったのです。

ところで、シャバは漢字では「娑婆」と書きます。おばあちゃんが何人もいるような雰囲気ですが、元は宗教用語。外の自由な世界をさしているのです。
退院後、リハビリ病院を訪れた際に、病棟の真面目そうな看護師長さんに挨拶に行ったら「やっぱり、シャバはいいでしょ?」といきなりつっこまれてビックリ! よくおわかりで(笑)。

① 猫の信頼を取り戻すこと

入院中、猫3匹のシッターを友人達が入れ替わり立ち替わり務めてくれました。
猫を飼う以上、「もしも」の場合に備えて、信頼できるペットシッターさんとつながっていましたが、突然のしかも繁忙期に長期のスケジュールを押さえることは不可能に近いです……。
そういう状況を想定し、私は一人暮らしの猫飼い友人達と以前から『互助会』を結成していました。出張や旅行の際の猫のお世話はもちろん、何かあれば「お互いさま」と合鍵を預け助け合う信頼できるグループ。これが今回は本当に助けになりました。遠くの親戚より近くの友人です。

山手線内で心肺停止から蘇った医療ライター「留守番の猫は?退院後にした3つのこと」_img0
 

ついに満を持しての帰宅。久しぶりの飼い主の帰宅をニャンズはさぞやお待ちかねと思ったのですが、玄関でまさかのはじめまして顔!「どちらさまですか?」って(泣)。
しかも互助会のみなさんの手厚いケアとビュッフェスタイルのカリカリの食べ放題で、心なしかいや間違いなく、ふっくらされておられました。
長い不在への怒りから、最初はなかなか目も合わせてくれませんでしたが、謝り倒して徐々に怒りが収まりました。不甲斐無い飼い主ですいません。改めて心身のケアをさせていただいております。
まずは、自分が健康でいなければと反省しつつ、モフモフ満喫の日常を取り戻しております。

【写真】主人の帰りを待つ猫、治療中の入院生活
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