日本企業全体の業績を考えた場合、売上高が2割減った場合、営業利益はほぼ全額吹き飛ぶ計算になります。つまり、企業全体で見ると利益が出なくなってしまうのです。これはあくまでも平均値ですから、業績がよい企業は黒字を確保できますが、業績が悪い企業は赤字に転落することを意味しています。
コロナ危機は前代未聞と述べましたが、大正時代まで遡ると「スペイン風邪」という前例があります。スペイン風邪では日本でも40万人近くの犠牲者を出しましたが、一斉休校やマスクの着用など、今、行われているものとほとんど同じ対策が実施されています。当時はワクチンは存在しませんでしたから、自然終息を待つしかなく、結果的には3年の期間が必要でした。
感染症の専門家はこのケースを参考にしていますから、ワクチンが開発されない場合、3年間(つまり、あと2年間)こうした状況が続く可能性が否定できません。
業績が悪い企業などに勤務している人は、来年以降、経営が立ち行かなくなる可能性がありますから、最悪の場合、会社を移る可能性について考えておく必要があるでしょう。また余裕のある大企業でも、希望退職など人員整理を行う可能性があるので要注意です。
また解雇を行わない場合でも、業績低迷は確実ですから、来年の賃金やボーナスは期待できません。大きな買い物は当分の間、控えた方がよいでしょう。
非常に厳しい状況ですが、一部では積極的な動きも見られます。
日本の企業社会はこれまでデジタル化には消極的でしたが、今回のコロナ危機をきっかけに、多くの企業がリモートワークを行うなど、デジタル化に舵を切り始めました。社会のデジタル化が進むと、直接会わなくても仕事ができるケースが増えますから、副業などを検討している人にとっては朗報です。
すでに、デリバリー専業の飲食店など、IT化を前提にした新しいビジネスが次々と立ち上がっています。既存の業界秩序が崩れていますから、何か新しいことを計画している人にとっては、追い風となるでしょう。
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