【質問7】冬のかゆみに飲み薬は有効ですか?
「かゆい」と言って病院に行くと、花粉症の飲み薬を処方されるかもしれません。これは実際、市販薬としても手に入り、かゆみを止めるのに最も広く使われている薬です。この薬を飲むと、ヒスタミンというかゆみ物質がブロックされ、かゆみを止めてくれるのに役立ちます。
ただし、かゆみにはヒスタミンという物質を介するものと介さないものがあることが知られていて、アレルギー反応の場合には主にヒスタミンが関与しますが、乾燥の場合にはどこまでヒスタミンが関与するかはあまりわかっていません(参考7)。
先の薬は、アレルギーのかゆみには有効と考えられますが、ヒスタミンを介さないかゆみには原則的には無効です。また、乾燥が原因の場合、原因をなおさないことにはいくらヒスタミンをブロックしたところで、焼け石に水となってしまいます。
加えて、この花粉症の薬は比較的安全な薬ではあるものの、時に副作用も問題になります。例えば眠気や集中力の低下、だるさ、便秘や尿が出にくいと言った問題を起こすこともあります。特に高齢者の方では注意が必要な薬です。
どうしてもつらいかゆみに対しては、夜間などに一時的な併用を試すこともできないわけではないですが、まずはしっかりと原因に対処することが大切です。
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参考文献
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7 Metz M, Ständer S. Chronic pruritus - Pathogenesis, clinical aspects and treatment. J. Eur. Acad. Dermatology Venereol. 2010. DOI:10.1111/j.1468-3083.2010.03850.x.
この記事は2020年11月24日に配信したものです。
mi-molletで人気があったため再掲載しております。
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