タレントとして活躍し、25歳で結婚。15年間の専業主婦生活を経て40歳で仕事に復帰した松井美緒さん。近年では毎晩15品目(!)並ぶという豪華な食卓も話題になり、2冊目となるレシピ本『松井美緒のおいしい手仕事』を刊行するなど、料理上手としても知られています。
「目玉焼きも焼けなかった」美緒さんが本気で向き合った料理、子育て、そして今年結婚20周年となる西武ライオンズの二軍監督・松井稼頭央さんとの結婚生活について聞きました。

 

「ほんとは残り物だけど」と思いながら出してます(笑)

「“15品目作ってる”というのがひとり歩きしちゃってる感は否めません(笑)。だって実際にその日に作ってるのは2、3品だけで、あとはほとんどが作り置きか前日の残り物をアレンジしているだけなんです」

そう言って「ガハハ」と豪快に笑う松井美緒さん。
毎日、夕飯前になると逃走したくなるほど料理が憂鬱な筆者にとって、残り物が立派な一品になるのは嬉しい限り。しかしなぜだか我が家では残り物に人気がなく、結局、自分だけが一日遅れの食事を取っているような状態で……。

ある日の松井家の夕飯。これが毎晩というからすごい!

「うちもそうですよ。特に夫は、そのままでは絶対に食べません。だけど、昨日まあるいお皿に盛り付けていた料理を、今日はちょこんと小鉢に入れ替える。するとまったく違う食べ物に見えるみたいで、パクパク食べています(笑)。   
なので、残り物のアレンジで一番簡単なのはお皿を変えることです。そして次は、味変。昨日作ったロールキャベツを、今日は崩してスープにする。またはトマトを加えてトマト煮にしてもいいですね」

 

「ありがとう」の言葉に救われた夕食作り


2000年にプロ野球選手の松井稼頭央さんと結婚するが(現在は西武ライオンズの二軍監督)、食に厳しかった夫は、美緒さんの作った夕飯に箸をつけないこともあったと言う。

「夕飯として、おかず2品、ご飯、お味噌汁、漬物を出したらほとんど食べなかったんです。お酒を飲むこともあり、彼は夜ご飯に華やかな食卓を望んでいたみたいで。でもそんなの知らなかったし、最初は私も『せっかく作ったのに!』と頭にきて、よく喧嘩になりました。
ただ彼は“主婦”という仕事にとてもリスペクトを持っている人でした。料理や家事をやってもらうのは当たり前、みたいな態度を取られたことはなく、洗濯物を畳んでいると『いつも畳んでくれてありがとう』、ご飯のあとは『今日も美味しかった。ありがとう』と、とにかく私に対して感謝の気持ちをたくさん言葉にしてくれる。だから私もそれに応えたいと思えたんでしょうね」

松井稼頭央さんも「うちのプルコギが一番美味しい」と語る、松井家の定番メニュー。